元経済ヤクザが解説する「暴力と仮想通貨」の驚きの関係

歴史を見ればわかる
猫組長

なぜアメリカはイラクへ侵攻したのか

ご存じのように、現在、世界最強の暴力装置は「米軍」である。そして、世界の基軸通貨はドルである。03年にブッシュ大統領が引き起こしたイラク戦争の要因の一つは、当時のフセイン大統領が石油の決算をドルではなくユーロで行おうと考えたためだ、とされている。

石油決算はドルでしか行えないが、それを許せばドルとエネルギーの関係は崩壊し、ドルの価値が相対的に失われることになる。それを食い止めるために、アメリカはイラクへ侵攻した、というわけだ。このようにアメリカはドルの価値を維持するために、平然と「暴力」を運用するのだ。暴力によって通貨は発展し、通貨の価値を守るために暴力が使われるのである。

 

また、80年代バブル期の日本を思い出して欲しい。あの時、「日本はいずれアメリカを超える」ということが本気で言われていた。三菱地所は2200億円でニューヨークにある一つロックフェラーセンターを買収。ハリウッドではソニーが3700億円でコロンビアを、当時の「松下電器産業」(現・パナソニック)がユニバーサルを買収した。

「山手線内の土地の値段でアメリカ全土が買える」――日本は次々とアメリカのシンボルを手中に収め、アメリカを超える国家になる、なんてことも言われたが、結果はご存じのとおり。日本のバブルはあえなく崩壊した。終わってみれば、ドル独り勝ちの世界は続いている。

この「円の敗北」が後世に伝える教訓はとてもシンプルなものだ。世界一の国になるには、世界一の暴力と世界で一番強い貨幣、そしてそれを運用する政治システムが必要だ、ということだ。

当時の日本にはその3つがすべて揃っていなかった。なかでも足りなかったのは「暴力」つまり、軍事力とその運用だ。世界の覇権国に躍り出ると勘違いした日本だが、核を持つことさえも許されない国にそんなことができるはずはない。

そしてプーチンが動く

さて、現在の世界のでこの「暴力」と「貨幣」の関係をもっとも知悉している統治者こそ、ブロックチェーン技術大国ロシアのプーチン大統領に他ならないと私は考えている。プーチン大統領率いるロシアは、ブロックチェーン技術の開発に力を注ぐと同時に、その「裏付け」となる軍事力を過去にないレベルで強化しようとしている。

3月20日に行われた大統領選のなかで、プーチン氏は「爆撃機用の超音速高速ミサイル」「原子力巡行戦略ミサイル」「多弾頭搭載可能な大型ICBM」「戦略核搭載可能なグライダー型ミサイル」「核兵器搭載可能な無人潜水艦」の開発・完成を訴えた。

なかでも「超音速高速ミサイル」は現在アメリカの軍事的優位性をもたらしているミサイル防衛システムを、事実上無化する兵器だと言われている。世界中探しても「暴力」を「公約」に掲げるのはプーチン大統領ただ独りだ。

これを単にアメリカへの軍事力での挑戦、と捉えるのは浅薄で、ロシアの真の狙いは、軍事力の強化とブロックチェーン技術の深化による「ドル体制」への挑戦にあると私はみている。

強力な暴力を背景にした「プーチン仮想通貨」が、「米軍」という世界最強の暴力装置を背景にした基軸通貨「ドル」にどこまで迫れるのか――ロシア大統領選を見る限り、新次元の通貨戦争はすでに始まっているといえよう。