老親が忘れてしまった「放置資産」見つけたら、こんなに儲かった

認知症急増で 塩漬け資産が150兆円に
週刊現代 プロフィール

「塩漬け」が激増する

同レポートは、さらに驚くべき推計を紹介している。〈2035年時点で有価証券の15%を認知症の高齢者が保有する計算〉だというのである。

有価証券の15%といえば、150兆円近い。それだけの額の証券が、認知症患者の管理するところとなる――つまり、塩漬けに近い状態となる可能性があるのだ。

千葉商科大学の伊藤宏一教授が言う。

「現在、認知症の方が資産運用するケースが増えていくことが危惧されています。これが社会問題化していくことも考えられ、高齢者の認知能力の変化が資産運用にどのような影響を与えるかを研究する『金融老年学』も注目を集めています。

高齢者の場合、資産運用能力が衰えたり、認知症を患ったりしていないか、早いうちから検査をし、問題がある場合には成年後見人制度などの利用をするべきです」

 

かつてに比べ、高齢者が有価証券を保有する割合が高まっていくことは間違いない。

しかし、そうした資産には、本人すらその存在を忘れてしまったりして、誰にも認識されないまま「塩漬け」になっているものも多い。老親と同居している自宅や実家から、そうした有価証券が発見されることは、他人事ではなくなっている。

では、実際に「埋蔵金」が見つかった例を見てみよう。東京都に住む白田秀子さん(仮名・72歳)は4年前に夫を亡くした。

「主人は、私に内緒で株をやっていたみたいなんです。死後、主人の机を整理していたら、封筒から古い株券が出てきました。関西の交通系の会社のもので、全部で3万5000株。

息子に相談したら、発行会社に連絡してくれて、無事に信託銀行で株式の名義を変えることができました。

まだ株は売っていませんが、現在の価格で1000万円ほどになりました。基礎控除を考慮すると、相続税もかかりませんでしたし、全然知らなかった分だけ得した気分です」

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埼玉県さいたま市のあるケアマネージャーは、こんな女性を目撃した。

「認知症を患った75歳の女性を介護していました。旦那さんに先立たれ、娘さんとは関係が悪かった。症状が悪化したため有料老人ホームに入所するということになり、業者にご自宅の整理を頼みました。

そうしたら、債券や株式など金融資産があることが次々と判明した。お一人で貯め込んでいたのでしょう、総額は3000万円を超えていたと聞いています。

でも資産があることを誰にも伝えていなかったそうです。女性は存命ですが、もしあの片付けで見つけられなかったら大切な資産がゴミとして捨てられていたかもしれない。そう思うとゾッとします」

資産をドブに捨てないようにするためには、何より生前に親がどこの会社にどんな資産を預けているのかを確認しておくことが肝要だ。

しかし、資産については書き残していないケースも多いだろう。親子とはいえ、資産を詳らかにすることに抵抗感を抱くのは当然だ。そうした場合、どのようにして親が株を持っているか否かを確認すればいいのか。

亡くなった親が仮に株を持っていたとしても、証券会社の側から連絡をすることはない。