3回淹れて茶葉も食べられる絶品「お茶のフルコース」レシピがすごい

『お茶の科学』はしがき全文掲載
大森 正司 プロフィール

その冷えたお茶を楽しんだあとは、残った茶殻に40〜50℃くらいのぬるま湯を、同じく湯呑み茶碗1杯分注ぎます。ここで浸出する時間は1分。ぬるめのお茶ができます。最初の冷えたお茶とは違い、少し渋みも加わった爽やかな味を楽しめるはずです。

残った茶殻に、今度はさらに熱湯を湯呑み茶碗1杯分注ぎ、1分で濾しわけてみてください。熱湯で出したこのお茶は、少しの苦みが加わった、また違う味わいのお茶となります。

こうして3種類の淹れ方をしてみると、甘み(うま味)、渋み、苦みというお茶の3つの醍醐味を感じることができるのです。なぜここまで味わいの違うお茶ができるのか、その秘密については、本書の中でひも解いていきましょう。

さて、ここで終わりではありません。3回分を淹れたお茶の茶葉は捨ててはいけません。驚かれるかもしれませんが、この茶殻を食べてみてください。

まず、酢醬油を少し(好みの量)入れて食べてください。これは茶殻のお浸しです。次に、茶殻におかかやジャコ、ごまを入れて、さらに醬油を少し加えて混ぜると、茶殻のごま和えとなります。これは、お酒のつまみでもいけるおいしさです。

さらに残った茶殻に、今度は豆乳200mlとりんごジュース200mlを加えてミキサーにかけます。すると、「茶殻スムージー」の完成です。騙されたと思って飲んでみてください。クセのない、とても飲みやすい健康ドリンクに生まれ変わります。

いつもは捨てていた茶殻を、丸ごと全部おいしくいただけてしまうのです。すでにお茶を抽出したあとの茶殻を使うので、含まれるカフェイン量も少なく、子どもや妊婦でも安心して飲むことができます。

お茶は健康によいということは昔から知られていますが、抽出して飲むだけですと、茶全体の20〜30%しか摂取できません。残りの茶殻70〜80%にも、食物繊維や不溶性のビタミンE、β-カロテンなど身体に良い成分が豊富に含まれているので、お茶のフルコースでいただけば、それらもすべて摂取できることになります。

疲れが溜まってきた午後に、甘いものと一緒にこのフルコースを味わえば、「よし!もう一丁仕事を頑張るか」とやる気も出てくるはずです。

和食が無形文化遺産としてユネスコに登録され、日本のお茶のおいしさは世界中に広まっています。

とくに抹茶は「MATCHA(マッチャ)」として国際的にも通用するようになり、侘び寂びの日本文化とともに広がりを見せています。本書では、日本茶だけでなく、紅茶やウーロン茶を含めて、さまざまなお茶について取り上げていきます。

さて、それでは、ここからさらにその魅力を掘り下げて、お茶の世界にご案内していきましょう。ぜひ、お茶を飲みながら気楽に読み進めてください。

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お茶の科学書影""

[B2016] お茶の科学 「色・香り・味」を生み出す茶葉のひみつ

著:大森 正司

緑茶、紅茶、ウーロン茶……、同じ茶葉からできているのに、なぜ風味も色もこんなに違う? 読めばお茶が100倍おいしくなる!

定価 : 本体1000円 (税別)

ISBN : 978-4-06-502016-6