森友文書事件を「書き換え」問題だけに限定してはいけない理由

中立・公正な日本官僚制の再建に向けて
金井 利之 プロフィール
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中立・公正な日本官僚制の再建に向けて

重要なことは、現場官僚および本省官僚に僅かに残された、矜持と良心を活かして、この国の官僚制を、中立・公正な存在に再建することである。

日本官僚制は今、再建か崩壊かの岐路にあるといえよう。

「見せられない」ような行政の特例な措置を改めることなく、「書き換え」の必要のないような決裁文書しか作成しないようになる、という誤った「再発防止」策が強化されれば、日本官僚制は益々、腐敗と溶解が進む。

 

1990年代以来の公務員バッシングは、官僚制の問題を指摘することは妥当であったが、むしろ、政治家や政治家に阿(おもね)る一部官僚の暴走を促進し、政治主導・官邸主導や民意の支持あるいは規制緩和の美名のもとに、かえって中立・公正な官僚制の崩壊を進めてきた。

しかし、今回の事件で明らかになったように、まだ日本官僚制には「五分の魂」が残されている。

奪われてしまった公正な行政を国民に取り戻すために、単に財務省の「書き換え」問題に矮小化して、財務省にのみ責任を押し付けて溜飲を下げるようなことなく、我々国民は冷静に官僚制の再建策を検討する必要があろう。