森友政局で与党・公明党がなぜか安倍政権を批判する「ウラ事情」

「与党内野党」と化したワケ
鈴木 哲夫 プロフィール

地方選挙において、公明党は「チーム3000」という旗印を掲げている。「3000」は、全国の公明党議員を合計した数のことである。

公明党の最大の強みは、強固な支持基盤を生かした全国津々浦々のネットワーク力だ。彼らにとっては、あらゆる選挙で「全勝」が絶対条件とされている。

しかし、前回2015年の統一地方選でも、公明党は3人の落選者を出してしまった。来年の地方選で、さらに多くの落選者を出そうものなら、本格的な「崩壊」が始まりかねない状況だ。

もとより憲法改正や働き方改革といった論点では、公明党は自民党・安倍政権と一線を画してきた。それに加えて今年に入ってからは、同党の井上幹事長と自民党の二階幹事長がともに安倍総理の平昌五輪開会式出席を促したほか、紛糾した裁量労働制拡大に関する議論も「やり直し」を要求している。

「与党内野党」というポジショニングを最大限アピールし、党勢を回復する戦略に出ているのだ。

 

「その時」は黙って身を引く

ただ一方で、あくまで公明党は与党であるということも忘れてはならない。

「安倍政権潰しの先陣を切っている」という印象を国民に与えるようなことは、彼らにとってはあってはならない。議論の流れを一歩リードし、存在感を示しながら、悪いことは悪いとはっきり言う。

とはいえこの先、政権支持率が急落し「決定的局面」が訪れる可能性も否定はできない。もしそうなれば黙って身を引き、「我々は安倍政権を支えるだけです」と語るにとどめるーー。

公明党がこのような戦略をもとに動いていることを踏まえて、彼らの動向を分析すれば、この「第二次森友政局」の核心がどこにあるのか、そして政権与党がどこを「落としどころ」と考え、どんな決着を見るのかが読めるということだ。

早くも永田町では、「5月の連休明けに内閣総辞職」との噂さえ立っている。まだ先行きは不透明だが、安倍政権だけでなく公明党にとっても、この春は正念場となりそうである。