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いま明かされる「タリスカースパイシーハイボール」誕生秘話

タリスカー・ゴールデンアワー第12回(前編)

シマジ: ピートというのは石炭になる手前のものですから、硬くて大変でしたでしょう。

栗生: はい。大変でした。まずはトンカチで砕いてから火をつけてみたんですが、ぜんぜんつかない。ならばと、キッチンにあったおろし金でゴリゴリやってみたら、あっという間におろし金の方がダメになっちゃいました。

それで今度は金属用のヤスリでおろしてみたら、いい感じに細かいピートの粉が出来たんです。でもその粉に火をつけても、やっぱりすぐ消えちゃうんですね。そこで燻製用のスモークウッドというものがあるんですが、その上に粉を盛って火をつけてみたら、やっと上手くついてくれたんです。

シマジ: へえ~、人知れずそんな苦労があったんですか。ボブ、われわれはもっと大事に噛み締めながら、タリスカースパイシーハイボールを飲まなければ罰が当たるよ。

ボブ: まったくですね。栗生社長の探求心がなければ、スパイシーハイボールはこの世に誕生していなかったかもしれません。

栗生: そこから、インド産の黒胡椒にピートの香りをのせるためには、どれくらいの温度で、どれくらいの時間燻製すればいいのかという研究が、はじまりました。

ヒノ: まさに職人根性ですね。

栗生: まず50度で8時間燻製して、一旦取り出して全部シャッフルして、また入れ直して8時間燻製するんです。

シマジ: へえ、合計16時間も燻製しているんですか。それにしては値段が安いんじゃないですか。

栗生: やっぱりそうですかね。値上げしちゃおうかな(笑)。

シマジ: その苦労して完成した「黒胡椒の燻製」を、ある日、坂本がわたしのところに持ち込んできたんです。ためしに一杯、タリスカーでハイボールを作って飲んだ瞬間、わたしは「坂本、このスパイシーハイボールは美味いよ。これはイケるぞ」と叫びました。

それが「タリスカースパイシーハイボール」と命名され、伊勢丹サロン・ド・シマジでオープン当初から売られることになったんです。

ヒノ: しかもこのプッシュミルで挽くと、粒の大きさがまちまちになって口のなかのアタックがちがってくるのがいいですよね。

シマジ: あれは坂本のアイデアだったかな。よくあるグランダー式のマシンでやると、粒が均一になって、この独特のアタックが出ないんだよ。

ボブ: それにタリスカー全体に言えることですが、もともとかすかに黒胡椒のニュアンスがありますから、そこをブーストしたというのが正解だったんでしょうね。

シマジ: いまではほかのバーやレストランでも、タリスカースパイシーハイボールは大人気のドリンクになっています。

栗生: おかげさまで、いつも伊勢丹さんから「黒胡椒の燻製」の大量注文が入ります(笑)。

シマジ: いまサロン・ド・シマジでは1パイントのタリスカースパイシーハイボールが大人気でよく売れています。

ヒノ: で、おいくらなんですか。けっこうお高いんじゃないですか?

シマジ: いやいや、一杯800円の普通サイズのタリスカースパイシーハイボール3杯分の容量で、2000円です。ですから400円ほどお得なんですよ。

立木: ボブ、おれにも一杯タリスカースパイシーハイボールを作ってくれる。研究熱心な栗生社長の苦心談を聞いていたら、飲みたくなってきちゃったよ。

シマジ: ボブ、わたしにもおかわりをください。

ヒノ: ついでにぼくもお願いします。

ボブ: 承知しました。

⇒後編につづく

栗生聡(くりう・さとる)
横浜燻製工房(株)代表取締役。IT関連会社の代表も務める異色の経歴を持つ。リーマンショックなど会社が様々な危機に直面、その影響で体調を崩したことがきっかけで趣味であった燻製作りを本格的に事業化し、立ち上げたのが横浜燻製工房。その後グルメダイニングショーの新製品コンテストに出品し、準大賞を獲ったことから大手百貨店から声がかかるようになり、現在に至る。最終的な夢は「世界一美味しい」と言われる燻製を作ること。
島地勝彦(しまじ・かつひこ)
1941年、東京都生まれ。青山学院大学卒業後、集英社に入社。『週刊プレイボーイ』『PLAYBOY』『Bart』の編集長を歴任した。柴田錬三郎、今東光、開高健などの人生相談を担当し、週刊プレイボーイを100万部雑誌に育て上げた名物編集長として知られる。現在はコラムニスト兼バーマンとして活躍中。 『甘い生活』『乗り移り人生相談』『知る悲しみ』(いずれも講談社)、『バーカウンターは人生の勉強机である』『蘇生版 水の上を歩く? 酒場でジョーク十番勝負』(CCCメディアハウス)、『お洒落極道』(小学館)など著書多数。
ロバート・ストックウェル(通称ボブ)
MHDシングルモルト アンバサダー/ウイスキー文化研究所認定ウィスキーエキスパート。約10年間にわたりディアジオ社、グレンモーレンジィ社、他社にて、醸造から蒸留、熟成、比較テイスティングなど、シングルモルトの製法の全てを取得したスペシャリスト。4ヵ所のモルトウイスキー蒸留所で働いた経験を活かし、日本全国でシングルモルトの魅力を面白く、分かりやすく解説するセミナーを実施して活躍しています。