「最近、また綺麗になっているんです」
東京都のある女性職員に、ここ最近メディアへの露出がめっきり減った小池百合子都知事の様子を訪ねると、そう讃えた。
昨年10月の衆議院選で「大敗」を喫して以来、小池人気は低迷し、勢いを失ったまま。2017年11月の葛飾区議会議員選挙でも、小池氏が特別顧問を務める都民ファーストの会(以下、都民ファ)は候補者を5人擁立するも、当選者は1人にとどまった。
以後、メディアもほとんど都知事の動向を報じることがなくなったうえ、都民ファの目玉政策であった「罰則付きの受動喫煙防止条例」も2月開会の都議会での提出は見送られる始末。また、全局長を含む22人の公用車送迎廃止を打ち出すも、結局適用されたのは知事特別秘書と一部局長の7人のみにとどまり、「改革色」は薄まるばかり。
さらに安倍政権との溝は深くなる一方だ。2月6日、地方の大学振興や地方在住の若者の就労支援を図る地方創生の一環で、東京23区の大学の定員を10年間抑制する「地域大学振興法案」が閣議決定された。小池氏は「こんなものができると、国際社会と競争できない大学ばかりになる」と異を唱えているが、通常国会で成立の見通しである。
四面楚歌ともいえる状況が続く中、なぜ小池氏は都職員をして「きれいになった」と言わしめるのか。それには理由があった。小池氏の側近が明かす。
「小池さんは、大臣や党三役を務めている時などもそうでしたが、忙しければ忙しいほど輝く。疲労が顔に出ないタイプで、暇な時間が多いと逆に太るんです。選挙ともなれば昼ごはんはゆで卵一つでフル稼働している。今回も『絶対に負けられない戦い』が控え、勝負師のスイッチが入ったのでしょう」
絶対に負けられない戦い、とはいったいなにか。