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安倍3選は絶望的?「森友退陣」後をにらんだ自民党内の不穏な動き

ついに清和会支配も終わるのか?

自民党員の支持が下降線?

麻生太郎財務大臣、そして安倍晋三首相の進退までも問われる事態となっている「第二次森友政局」。連日夜になると国会・首相官邸前に抗議の声が響き渡り、2015年夏の安保国会を彷彿させる状況となっている。

その喧騒の裏で、自民党によってある調査が行われた。全国の自民党員に対する、「安倍首相を支持するかどうか」の聞き取り調査だ。

3月第1週に行われた際には、サンプル数は明らかになっていないものの、「支持する」と答えた党員は52%にとどまった。朝日新聞の「文書改竄」スクープの影響は、この時点ではまだ読みきれなかった。

だがその後、3月9日の近畿財務局員の自殺発覚、そして週明け12日に財務省による調査の期限が設定されたことで、周知のように情勢は風雲急を告げる。

 

事態を重く見て、再び党員への聞き取り調査を行うことが急遽決まった。結果はまだ出ていないが、前回調査と比べて、「安倍支持」の自民党員が少なからず減少していることは間違いない。自民党内のパワーバランスにも影響が避けられない。

「先週末には新聞、テレビ各局の世論調査も行われたが、支持率は軒並み50%を割っている。しかもこれで終わりじゃない。これから国会での追及が待っている。どこまで支持率が下がるか…これは底が抜けてしまったかもしれない」(自民党関係者)

9月に総裁選を控える自民党内では、つい先月まで「安倍3選」は堅いとみられていた。こうした党内の見方は、それに黄信号、いや赤信号が灯ったことをうかがわせる。

前々回2012年の総裁選では、石破茂元地方創生担当相が圧倒的な数の地方票を獲得したが、国会議員投票で安倍首相に逆転された。前回総裁選の直後、より地方党員の声を反映できるように党規約が改正され、現在では決選投票時にも地方票が振り分けられるようになっている。

つまり、党員からの支持率低下は総裁選の結果に直結するのだ。もとより党員人気が高いとは言いがたい安倍首相にとって、こうした数字は悲願である「総裁3選」が大きく遠のいたことをそのまま意味している。

安倍総裁では次の選挙が戦えない

不祥事を重ねても、不思議と大幅には支持率が落ちない。そんな磐石とも思えた「安倍一強」体制が、これほど急速に綻びを見せるとは、他ならぬ安倍首相自身をはじめ、政権幹部と自民党の重鎮にとっても予想外の展開だ。

当面の焦点となるのは、言うまでもなく麻生太郎財務大臣の進退である。

「本人の心境としては『貧乏くじを引いた』と思っている部分もあるでしょうが、しばらく辞任はできないでしょう。国会で集中審議ということになれば、麻生さんがいなくなったら、安倍さんが自ら矢面に立たなければならなくなる。麻生さんは当面のあいだ安倍さんの『盾』になり、落ち着いたところで辞めるつもりでいるはずです。

しかしそうは言っても、首を差し出さずに耐え切れるかどうかはわからないし、下手をすると麻生・安倍の共倒れということになりかねない。すでに二人は、もしもの時は財務大臣の後任を甘利(明・元経済産業大臣)さんか岸田(文雄政調会長)さんにお願いすると結論を出しています」(自民党議員)

こうしている間にも、財務省の行った文書改竄の中身が次々と明らかになり、続報が打たれるたびに安倍政権はダメージを負ってゆく。今回の疑惑再燃以降、山口那津男代表を除いてあまり表立った言動のない連立与党の公明党も、静観しつつ今後の「身の振り方」を考えている可能性がある。

「安倍一強」の状況がこれほど長きにわたり続いてきたのは、ひとえに選挙における安倍首相の圧倒的な強さゆえだ。しかし、いまや自民党の地方組織では「来年の統一地方選も参院選も、安倍首相のままで戦えるのか」との声が公然と上がる。

公明党との関係も含めて、安倍政権の選挙における「神通力」が失われるとなれば、もはや9月の総裁選を待たずして、夏前にも党内政局が勃発するだろう。