教養学部は黙ってろ!東大教授の「学部間差別」厳しすぎる裏側

ここまで露骨だとは…
週刊現代 プロフィール

総長選は法・工学部が優位

だが、こうした医学部の教授たちが学内で「独走状態」なのかと言えば、それは違う。前出の医学部の元教授が解説する。

「法学部と工学部が、医学部が強くなりすぎないよう牽制をしているのです。工学部は、近年低調ではありますが、電力会社や重電の企業からカネを引っ張って来られる。

タケダ理研工業(現アドバンテスト)から寄付を受けて、武田先端知ビルという巨大施設をつくらせたのは、工学部の小宮山宏さん(元総長)です。2170人の学生、163人の教授という圧倒的な人数を抱えているのも強い('17年)。

法学部は歴史が古く、権威がある。東大は『赤門』と『正門』の2つの門がありますが、赤門の前に医学部が控え、正門の前には法学部がある。法学部には、医学部とともに東大を引っ張ってきたという自負がある」

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こうした学部間のヒエラルキー、そして、権力争いがハッキリ見えるのが、総長選挙だ。

「総長はある程度の予算権があり、輩出した学部は、自分たちの施設を新しくしたり、人を増やしたりしやすい。しかし、経済学部や文学部、教育学部など文系の小規模学部から手を挙げる人はいません。

最初から勝てると思っていないから。それゆえ、こうした学部の人たちはそもそも学内政治とは縁がない」(前出の医学部の元教授)

総長選で名前が出てくるのも、法学部、工学部、医学部。ときおり、理学部と工学部が手を結び、理学部から出馬することもある。前出の医学部の元教授が続ける。

「前回、'14年に行われた総長選には5人が出馬しましたが、メインとなったのは、医学部vs.理学部の構図。宮園浩平・医学部長と五神真・理学部長が戦い、理学部が勝ちました。

投票権を持っているのは教授と准教授ですが、法・工・医の教授、准教授のもとには、投票を呼び掛けるため電話がかかってきますよ。

そうした牽制が奏功して、医学部出身で総長になったのは、森亘先生('85~'89年在任)だけ。最近は、理系学部と法学部がたすきがけで総長を輩出している」

 

東大の学部の中で、最も特異な位置にあるのが、教養学部である。

東大の1~2年生は、教養課程を駒場キャンパスで学び、多くは3年生になって専門課程に進むと本郷キャンパスに進学する。しかし、一部「後期課程」に進む学生は、駒場に留まる。それが教養学部だ。

蓮實重彦名誉教授や松原隆一郎教授など、メディアで発信する有名教授がいることから、一般的なイメージはいい。学生からの人気も高い。

東大では、教養課程から専門課程に進む際にテストの点数が参照されるが、教養学部は進学に必要とされる点数が高いのだ。