東大の中でも「神童」と呼ばれた男達の人智を超えた超絶エピソード

これが本物の天才か…
週刊現代 プロフィール

頭が良すぎて「可哀想」

立川氏と同じく灘から東大に進学し、現在東大大学院理学系研究科物理学専攻で教授を務めるのが岡田康志氏('68年生まれ)だ。440点満点の東大模試で2位と100点差のダントツ1位になるなど彼もまた「神童」エピソードに事欠かない東大教授の一人。

灘時代からの同級生で、東京大学医科学研究所を経て医療ガバナンス研究所を主宰する上昌広氏が語る。

「彼はまず読書量が尋常ではなかった。灘には高校3年間の読書量を記録する『読書マラソン』というものがあったのですが、彼は30万ページ分の本を読んだと言われています。『ファインマン物理学』などの難解な本も当時から読んでいました。

岡田は私と同じで、東大医学部に進学しました。今は分子生物の研究者です。彼は医学部の教授会で政治闘争をするような性格ではないので、一人で理論を考える今の道のほうが肌には合っていると思う。

東大の研究室にも彼と同レベルの人はいないでしょう。岡田は自分のレベルが突出しすぎて周囲に恐縮しているように見えることもあり、ある意味、可哀想でした」

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東大には理系だけでなく、文系の分野でも並外れた才能を持つ教授がいる。理系教授とは趣の違う畏怖を感じさせるのが東大大学院法学政治学研究科准教授の和仁陽氏('63年生まれ)だ。

和仁氏と東京学芸大学附属高校、そして東大でも同級だった脳科学者の茂木健一郎氏は「物語の世界から抜け出してきたような奴」だったと語る。

 

「和仁は頭脳だけでなく、お洒落でスタイルもよく、少女漫画に出てくる『天才貴公子』みたいな感じでした。ドイツのステッドラー製の鉛筆を自分で削って使っていたり、こだわりも強かった。

当時からヘーゲルやカントなどありとあらゆる西洋古典に通じていて、クラシック音楽にも造詣が深かったですね。また皆が思い出などを綴る卒業文集も和仁は『ラテン民族における栄光の概念について』(笑)。

勉強面も凄かった。センター試験のときは生徒が自己採点して学校に申告するじゃないですか。和仁が申告したのは1000点満点中の981点。その年の大学入試センターから発表された最高点とぴったり一致していたので、『あ、1位は和仁だったんだぁ』と。

私にとって彼との出会いは一種のPTSD(心的外傷後ストレス障害)のようなものでしたね」

東大教授より勉強のできる人間などいないように思える。しかし、その「権威」のなかではハッキリとした序列が存在することもまた事実だ。

「週刊現代」2018年3月17日号より