大阪の交通事情は「京阪中之島線延伸」で大きく変わるかもしれない

そこには京阪の執念があった
佐藤 信之 プロフィール

中之島線の運行と輸送

中之島線が開業したことで、本線からの旅客シフトがあったものの、本線に比べて8分の1の旅客量しかない。本線と中之島線の並行区間の駅間旅客の合計を見ても、中之島線の開業後、かえって減っている。つまり、中之島線の開業による増収効果が見られなかったことを意味する。開業後の平成21年度単体決算では、鉄道事業の営業収益は前期に比べて3億円の増加にとどまり、営業利益は線路使用料の支払いや運行経費などの増加により、前期より21億円減少した。

開業時、日中には30分間隔に出町柳行きの快速急行が運転するほか、1時間に6本の区間急行が設定されていたが、旅客数の伸び悩みから、ダイヤ改正の度に運行本数を削減し、現在は日中は普通列車が1時間に6本運行するのみである。

中之島線と同時期に建設が進められた阪神なんば線は、近鉄との直通運転で奈良・三宮間を列車が直通することにより、従来大阪・梅田を経由していた旅客が阪神なんば線経由にシフトするという、大阪都心部の人の流れを変えるだけの大きな影響力があった。現在袋小路となっている中之島線が、九条・西九条に延伸して他の路線と接続(乗り換え)することでネットワーク効果が働いて、中之島線の利用が高まることを期待したい。

「地方創生」にとって、鉄道とは何か?発足時には北海道全土を網羅していたJR北海道の路線だが、二〇一六年末に大部分の路線が自力での維持が困難であることが発表され、札幌都市圏以外の全路線が消滅危機に瀕している。それ以前から、新型車両開発の中止と廃車分の運行本数の減便、メンテナンスの不満による脱線事故の多発など、利用者無視の経営方針が批判を集めている。そして、それは本州の過疎地帯や四国などでも起こりうる。JR四国も単独維持困難路線を発表した。JR北海道問題を起点に、日本の交通の未来、地方政策の問題について論じる。