シャネル爆買い→ホスト→整形→デリヘルバイトの先に見えたもの

【特別対談】オンナの愛と資本主義
鈴木 涼美, 中村 うさぎ プロフィール

理性なんて無力

鈴木 抜ければ幸せだと思ってたのに実際に抜けたら虚無だった……となると、またその頃に戻ってしまおうとは思わなかったんですか?

中村 抜けようと思って抜けたわけではなくて、突然憑き物が落ちたように熱が冷めたので。あれは何だったんだろうみたいな。本当に恋愛みたい、あんなに好きで別れられなくて苦労したのに、ある日突然どうでもよくなる時が来る。だから昔の男みたいなもので、戻りたくても戻れない。シャネルみても心が動かない。「ふーん」くらい。歳とともに体力気力がなくなってきたのが大きな要因だと思いますけど、とことんやれば人って気が済むんですよ。理性とか外的要因で無理にやめるとダメなんですね。ほんとに心の底から飽きが来た時でないと。

写真:村田克己

鈴木 となると、買い物依存の人もとことん行った方がいい?

中村 そうですよ。命まで取られるわけじゃない、最悪自己破産で済むじゃないですか。恋愛相談も「別れられない」って言われたら「とことん傷つけ」って言いますね。傷つき足りないんだと思う。理性なんて無力だと思うんです。

鈴木 買い物依存ならね。ホストと違って、ブランド品はたとえ飽きても手元に使えるものが残りますしね。

 

中村 私はエルメスのバッグとかは質草にしちゃいましたけど。ホストは質草にならないですからね。あんな奴ら誰も引き取ってくれません。

鈴木 あとから振り返った時に一番返ってこないお金はホストだと思います、私も。あと飲み代。時計とかは売れますけどね〜!

中村 ネタになったからいいと思うしかないですね!(笑)

中村うさぎ(なかむら・うさぎ)作家。1958(昭和33)年福岡県生まれ。同志社大学文学部英文科卒。OL、コピーライターを経て、ジュニア小説デビュー作『ゴクドーくん漫遊記』がベストセラーに。その後、壮絶な買い物依存症の日々を赤裸々に描いた週刊誌の連載コラム「ショッピングの女王」がブレイクする。エッセイ、小説、ルポルタージュに著書多数。
現代ビジネスの人気連載が待望の書籍化!1万字を超える書き下ろし自伝も収録