シャネル爆買い→ホスト→整形→デリヘルバイトの先に見えたもの

【特別対談】オンナの愛と資本主義
鈴木 涼美, 中村 うさぎ プロフィール

ショッピングの女王、誕生のきっかけ

鈴木 それで、今回、中村先生に伺いたいのはショッピングの女王になられた経緯です。書籍が最初にヒットして、そこから女王の地位を築かれていった印象があるんですけど、最初に手にしたまとまったお金をブランド品に使われた理由は?

中村 中高と私立の女子校に通っていた頃まで遡るんですけど。小金持ちの子供が多くて、サラリーマン家庭の私とはお小遣いの額が全然違ったんですね。全員じゃないんですけど、私の属してたグループが特にすごく派手で、ヴィトンのバッグで登校しに来る子もいましたし。1ドル350円の時代にですよ! 欲しくって母親にねだったら「お母さんでもそんなバッグ買ったことないわ」って言われて。そういうこともあって同世代のお金持ちの女の子に若干のコンプレックスがあったという前提があって。

『ゴクドーくん漫遊記』(角川書店)が当たってお金が入ってきた時は1回目の離婚の直後だったんですよ。その別れた旦那がブランド好きで。「安っぽいものは着れないよ」みたいな。着れないったって私が買ってあげてたんですけどね。離婚後、彼のために買ったポルシェのローンも私に残りましたし。そんな過去の悔しさに対する復讐心があったんでしょうね。

 

わたしもずっと服が好きだったので、当時は、DCブランドが流行りだったし、だからまとまったお金が入ったとき、シャネルの服売り場に行きました。バッグではなく。ヴィトンも服は靴とかの小物売り場の奥にあるじゃないですか。敷居が高いんですけど、「お金あるんだし行ってみよう」と思いまして。試着したら買わざるを得なくなりまして、ファーストシャネルは革のコートということに……。

鈴木 上級者ですね。私最初に買ったシャネルはピアスです、4万円くらいの。

中村 小物から入るのが普通だと思ったんですけど、なんかその奥に入ってみたかったんですよね。

鈴木 それは元旦那に対する「ざまあみろ」って思いも?

中村 ありましたね。ただ、数年後に元旦那の写真を知人に見せてもらったときに彼が禿げてたので、それにはもっと「ざまあみろ」って思いましたけど。あんなにかっこつけてたのにって!(笑)

写真:村田克己

鈴木 私ずっとうさぎさんのエッセイを読んでるんですけど。かなり長い期間ブランドがお好きだったじゃないですか。そのあとホストとか美容とか、違う方向にお金を使うように変わっていかれたと思うんですが、別のものに夢中になるとブランドへの興味はなくなっちゃうんですか?

中村 ホストにハマりはじめた頃はブランド品の買い物もまだしてました。だけどホストに金がかかるようになってきて、シャネルの受注会に行っても「ここで金使うならホストにシャンパン開けたい」って思うようになり始めて。

鈴木 ホストに来てる女の子って、月に300万くらい稼いでても自分にお金使わないからぼろい服着てる子いますよね。