ヤクルト・宮本慎也の持論「若手に優しい上司が組織をダメにする」

彼らに一円でも多く稼いでほしいから
週刊現代 プロフィール

1円でも多く稼ぐために

押しても返ってこない歯がゆさだけでなく、自主性の低さにも物足りなさを抱いている。

「いまの選手たちのほうがマジメなんです。たとえば『1と2と3をやれ』と言ったら、絶対にやる。それはもう、一生懸命やると思います。でも、自分から4、5、6には絶対に行かない。

僕らのときは1、2、3をやれと言われた次には6、7のことを言われた。つまり、3まで言っているんだから、自分たちで考えて5までは来ているよなという教えられ方でした。常に先のことを意識させる。これは徹底したいですね」

その点において、宮本ヘッドの現役時代と同様、「練習の虫」と称される青木宣親のヤクルト復帰は大きな後押しになった。休む間も惜しんでバットを振る姿は若手に好影響を及ぼしている。

「青木の野球に対する姿勢、練習量。ピッチャーでは石川雅規といういい見本がいますけど、野手ではそういう存在がいなかったので、戦力としてだけでなく、お手本という意味でも非常にプラスになっています」

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練習では見る位置を変えながら選手の一挙手一投足を注視する宮本ヘッド。ゲーム形式のノックが始まると、さらに目を光らせた。

「ゲームノックだと、自分のところに飛んでこない場合でも、試合と同じようにカバーをしたり、次のプレーがある。でも、選手によってはボーッとしてしまうのもいます。

そういうときに『そこで終わりか。ほかにやることはなかったのか』と質す。そういうのんびりした選手にはグラウンド上だけでなく、日常から注意を払うように言います。

普通に歩いていても、自分の右側を何人通ったとか、テレビを見ていても、この司会者はしゃべり方にこういうクセがあるなとか。考えずに行動する時間を作るなと伝えるんですが、続かない子は続かないですね」

 

厳しさを前面に押し出し、選手たちから煙たがられることなど気にも留めずに、宮本ヘッドは開幕を見据えている。

「秋は選手たちが、『宮本になにをさせられるんだろう』とカチッと構えているのがわかった。それはだいぶ和らいできた。プロである以上、優勝を目指さないといけないんですが、まだやることがたくさんあるのも事実。

鍛錬はキャンプだけでなくシーズンを通しても必要ですし、その中で慣れが生まれるようなら、もちろん、ムチを入れますよ。いかにして選手を本気にさせるか。

そして、せっかく入ったプロ野球で、1円でも多く稼いでもらいたい。それが僕らコーチの仕事ですから」

「週刊現代」2018年3月17日号より

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