400年の歴史に幕…?今年の「阿波おどり」はやっぱり中止らしい

徳島市も「継続は極めて困難」と認めた
週刊現代 プロフィール

観光協会だけを狙い撃ちにするような徳島市の仕打ちに、祭りの担い手である市民からも強い反発が出ている。

実力的にトップクラスの16団体が所属する阿波おどり振興協会の山田実理事長はこう憤る。

「調査報告書では『事業の継続は困難』と書かれていますが、今年はこれだけ黒字を出しているし、運営を見直していけば5~6年で十分返済可能です。遠藤市長は『赤字解消のため』と言うが、それならば今、観光協会を潰すというのは支離滅裂です。

黒字が出ているのだから、計画的に負債を減らせば血税を注ぐ必要はありません。それなのに観光協会を潰そうとするのは、徳島新聞の利益追求に市が全面的に協力しようとしているようにしか思えません」

 

観客席が作れない

このままでは、観光協会が3月末までに4億円もの負債を返済しない限り、資産の差し押さえと清算が待っている。

徳島市議会の岡孝治議員が警鐘を鳴らす。

「そうなれば、徳島新聞が市の協力のもとに観光協会に代わる阿波おどり運営のための団体を作るでしょう」

逆に負債の問題を乗り切れば状況は一転する。そのための資金集めについて、踊り手が助け合って募金を集めようという動きも出ている。前出の山田理事長が言う。

「阿波おどりの開催中、沿道に設置される桟敷席(観客席)の資材は、観光協会が保有しています。徳島新聞と市が改めて用意しようと思ったら巨額の資金が必要です。彼らにその資金は用意できないし、仮に用意したら大赤字になります。つまり、彼らには阿波おどりの運営ができないんです」

観光客が演舞を楽しむための観客席がなければ、阿波おどりは成立しない。そのため、市は2月23日に「桟敷(観客席)を担保にして資金調達するようなことのないように」との通達を行った。観光協会の動きを封じるかのような申し入れだ。

こうした一連の動きについて、遠藤市長は、「法令等に基づいて適正に対応しており、阿波おどりについては本市が責任を持ってしっかりと開催してまいります」と回答。徳島新聞も「徳島市と十分協議の上、可能な限りの運営協力をしていく」と答えた。

とはいえ、このままでは観客席が設置できない可能性も十分にある。有料観客席を設営できなければ、収入の柱であるチケット販売ができなくなり、阿波おどりの運営自体が立ち行かなくなる。

400年の歴史を誇る阿波おどりが、過去最大の危機を迎えている。

(取材・文/週刊現代記者・小川匡則)

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