そのぶん従業員の負荷も大きくなったのではないか、と思うかもしれないが、さにあらず。業務管理システムも年々アップデートを繰り返し、いまやスマホ1台で電話、ナビ、受付業務、注文管理、履歴管理までできる「一石五鳥」状態だ。紙の伝票はとうの昔になくした。

「助走期の経験や体験を、新しいICTが出てくるたびに、焼き直しているだけですけどね」と坂田氏は笑う。

10年以内に事業も働き方も「点検」する

創業25周年を前に、トゥトゥモロウのビジネスは次のステージに進んでいる。マンションの宅配ボックスを衣類の受け渡しに使う「ランドリー・パック」(LP)だ。

LPは「Sooowda!」の上で動くアプリケーションの一つで、QRコードを使って登録すると、クリーニング済みの衣類がロッカーに戻されたとき、完了メールが利用者に届く。「将来的には、駅やコンビニを“LPスポット”として、宅配ボックス以外でも受け渡しできるように設計してあります」という。類似するサービスは、いまだ現れていない。

トゥトゥモロウは、ICTを駆使して「クリーニング」という古い業態を変えた。だが、新技術や新しい発想をビジネスの中核に据える企業は、「一発屋」と見られることも多く、実際に一発で終わってしまう企業も少なくない。ひとつのアイデアだけでやっていけるのは、せいぜい10年かそこらなのだ。

そうした視点で見ると、同社のビジネスモデルは、必ず10年以内に大きなアップデートを行っていることがわかる。そのたびに、仕事の中身も従業員の働き方も、ガラリと変わっている。

ビジネスの持続性を保つには、経営者の揺るぎない信念と綿密なマーケティングリサーチ、そして人と人のコミュニケーションが欠かせない。即効薬や特効薬は存在しない。

一方で、ICTは変化が激しい。ビジネスの転換点を的確に見抜いて、新技術を利活用するには、過去の積み重ねにどう折り合いをつけるかがポイントとなる。

「新技術を使ったビジネス創出」も、「働き方改革」も、実は一朝一夕にできることではない。その点でトゥトゥモロウは、ビジネスとICTの「幸せな関係」のモデルケースと言ってもいいだろう。