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平昌五輪、スマイルジャパンの収穫・渡部暁斗が魅せた意地

選手たちの戦いは続く
松谷 誠治朗 プロフィール

見せつけられたチーム力

ノルディック複合では五輪シーズンということもあり、ワールドカップの試合が何試合かCSチャンネルやNHKでも放送された。

今シーズンは、昨シーズンまで上位を席巻していたドイツ勢が不調で、その代わりに白馬に来たヤン・シュミット選手(ノルウェー)など北欧勢が強く、渡部選手のライバルは彼らになると思われていた。昨季まで5シーズン連続ワールドカップ総合優勝という無敵の王者エリック・フレンツェル選手(ドイツ)もランキング8位まで落ちていた。

ところが五輪が始まってみると、ワールドカップでの不調が嘘のようにドイツ勢が復調していた。

 

個人NHで渡部選手を最後に引き離し五輪連覇を達成したフレンツェル選手や、個人LHで渡部選手をフレンツェル選手とともに追いかけて抜き去り、金銀銅を独占したヨハネス・ルゼック選手、ファビアン・リースレ選手だ。

対照的に五輪前までは渡部選手に次いでランキング2位につけていたノルウェーのシュミット選手は平昌では全くの不調だった。

白馬には来ずに地元で虎視眈々と調整を続けたドイツ勢のコンディショニングは素晴らしかった。これは選手個人だけではなく、チームのサポートがなければできないことだ。

個人LHで、渡部選手が1人でドイツ選手3人を相手にしなければなかったことも、ドイツのチーム力の勝利と言えるだろう。その包囲網の中で、「大きくないチーム」ジャパンから参加し、個人で銀メダル1、5位入賞、団体で4位入賞というのは、世界選手権などでも見慣れた光景とはいえ、今ある条件の中で大健闘だと言いたい。

渡部選手自身がおそらくは考えているように、今後もし日本選手がこの競技で金メダルを取るとしたら、ノルディック複合に対する日本での関心の向上、ワールドカップの日本での開催、そうしたことを通じてチーム力の底上げを図る総合力の勝負が必要になってくるだろう。

渡部選手は休む間もなく、次の週末、3月3日にフィンランドで開かれるワールドカップの戦い赴くという。渡部選手にとっていつもの「本場」欧州での転戦が再開する。そこで現在1位のワールドカップ総合優勝を目指すことになる。

ノルディック複合という競技は見て面白いスポーツだ。

今回の五輪の盛り上がりで、その魅力をTVで目の当たりにした人は多かったに違いない。日本から少しでも多くの人がこの競技に声援を送り支援することが、北京五輪やその後の成果につながっていくだろう。

平昌五輪の閉会式ドラマは4年後、北京五輪へと続く〔PHOTO〕gettyimages