平昌五輪・北朝鮮の「日本人へのラフプレー」を韓国人はこう見た

もしどちらかが大怪我を負っていたら…
崔 碩栄 プロフィール

北朝鮮71.8% 、日本20.6%

2013年、韓国のシンクタンク・峨山政策研究院が周辺6ヵ国間の試合がある場合にどこを応援するかという調査を行った。報告書によると北朝鮮と日本がサッカーの試合をする場合には北朝鮮を応援するという回答は71.8%、日本を応援するという回答は20.6%であった。

アメリカに対してはアメリカを応援するが57%、北朝鮮を応援するが38.1%で、 アメリカの方が高いが、本調査機関より2ヵ月前、北朝鮮の3次核実験の前の結果を見ると、アメリカが47.8% 北朝鮮が47.7%と、ほぼ同率であった。

この調査の結果で際立っているのが、日本に対する反感だ。韓国人はアメリカ、中国、ロシアが日本と対戦するときには「日本の敵」を応援すると回答しているのだ。いずれも圧倒的な比率を示している。

アメリカについていえば、韓国人が数多く移民、留学、旅行に出かけていて親しみのある国であるという理由が挙げられるかもしれない。だが、中国やロシアについてはアメリカに対するような親近感を感じている人はさほど多くない。

それにもかかわらず韓国人は中国やロシアを応援すると答えている。これはこれらの国が好きだから、あるいは親近感を感じているからではなく、その国が対戦する相手が日本だからだ。言い換えれば日本に対する反感のためだということができるだろう。この点についてはYTN(韓国のTV局)でも、この結果を受けて「反日感情を反映したもの」と解説している。

 

北朝鮮は韓国と軍事的に対立している「敵」である。共産主義を掲げる北朝鮮と自由民主主義を掲げる韓国では正反対の価値観に基づいた国である。

それでも、軍事同盟を結ぶ国(アメリカ)と北朝鮮が試合をすれば北朝鮮を応援するという人々が相当数いるのだ。

民主主義や市場主義経済という点では韓国は日本とも同じ価値観を共有しているといえる。それでも北朝鮮を応援するという人が圧倒的多数を占めるのが韓国社会だ。この事実は何を意味するのか、日本と北朝鮮の間でトラブルがあったときにどんな結果を生むのか。

調査結果から読み取れるのは、韓国人は価値観を共有できる相手(日本)よりも血縁(北朝鮮)を味方と考え応援する傾向があるということだ。例え間違った行為を行ったとしても同じ血を受け継ぐものを重視する強力な「民族主義」の副作用である。

90年代までは学校教育の場でも、ドラマや映画の中でも北朝鮮は「敵」以外の何者でもなかった。ところが民主化が進み、左派政権が政権を握ると徐々にではあるが同質性や共存が強調される方向、ほぼ真逆と言える方向に向かって舵が切られたのだ。

朝鮮戦争を背景に韓国軍が北朝鮮軍と協力しアメリカ軍の爆撃を阻止するというコメディ映画が大ヒットし、現在の学校教育の場では、韓国語とは少し違う北朝鮮の言葉を使う友達(脱北者)に対して配慮しましょうと、教科書を使って指導しているのが韓国の現状だ。

このような社会的雰囲気が定着したところへ、朝鮮人慰安婦、強制連行などの問題が「拡大再生産」され出回っていることを加味して考えてみてほしい。仮に今回の試合で北朝鮮選手が日本選手に衝突したことで<北朝鮮VS日本>という構図が出来上がったならば、韓国人の多くが北朝鮮を擁護し、日本を非難する側に回るという予想は十分に現実味を帯びたものではないだろうか。