安倍首相の愛読紙が朝日と日刊ゲンダイと思われる「これだけの証拠」

どうやらかなり熟読している模様
プチ 鹿島 プロフィール

ネットのマスコミ批判を「すくい取る」

この誤報について『毎日新聞』に次のコメントが載った。

《産経新聞はネット上のマスメディア批判をすくい取ろうとしている。》(津田正太郎・法政大教授(マスコミュニケーション論)2月8日『毎日新聞』)

そう、たしかに『産経新聞』はネットに相性が良い。

WEBの『産経ニュース』は活発だし、新聞の電子版は月額1800円で他紙に比べて格段に安い。一般紙を全紙購読している私にとってもこの価格は嬉しい。しかも一昨年の12月までは無料アプリをダウンロードすれば産経新聞をぜんぶ読めたのだ。少しでも安い新聞を探している人は産経に気づくはず。

昨年4月6日に私がTBSラジオ『荻上チキ・Session-22』の『新聞特集』に出演した際、憲法学者で首都大学東京教授・木村草太氏の話が面白かった。

新聞を読みだしたというゼミ生が韓国や中国に対してキツい発言をするようになったので「君はどの新聞を読んでいるの?」と尋ねたら『産経新聞』と答えたという。学生なので価格の安さを重視したらしい。木村氏は「新聞によっていろいろ論調が違うことを知ったほうがいいよ」とアドバイスしたという。

この話にはさらにオチがあり、その学生が就職を控えた頃にやたらカネの話をするようになったので聞いてみたら「『日経』に変えた」

こういう話を聞くと『産経』のネット戦略は当たっていたのだと思える。だから今でもネットのマスコミ批判を「すくい取ろう」としているのも想像できる。米兵の美談そのものより、沖縄紙に対して「日本人として恥だ」という言葉を投げたかったのだろう。

しかしその美談(事実)はなかった。「事実よりもイデオロギー先行」最近の好例であった。

「沖縄米兵の救出報道 おわびと削除」を載せた『産経新聞』だが、そのあとすぐ元気になった。理由はこちらだ。

『安倍晋三首相、朝日新聞の“誤報”列挙し批判』(産経ニュース・2月13日)

《13日の衆院予算委員会で、安倍晋三首相が朝日新聞の過去の“誤報”を列挙し、誤りをなかなか認めない同紙を批判する場面があった。首相は、学校法人「森友学園」をめぐり学園側が「安倍晋三記念小学校」との校名を記した設立趣意書を提出したと報道した朝日新聞を「全く違ったが、訂正していない。(趣意書の)原本にあたり、裏付けを取るという最低限のことをしなかった」と批判した。》

首相が指摘する記事とは、『朝日新聞』が昨年5月9日に報道したものだ。

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森友学園の籠池泰典・前理事長が2013年9月に近畿財務局に国有地取得の要望書を出した際、小学校を設立するための設置趣意書に「安倍晋三記念小学校」の名称を書いていたと証言した、と朝日は報じた。

しかし昨年11月、情報が開示されると実際には「開成小学校」と書かれており、「安倍晋三記念小学校」ではなかったことが判明。

『朝日新聞』は2月6日の朝刊で「朝日新聞の報道経緯」を載せた。ポイントを抜粋してみる。

 

・学園が14年春ごろ、運営する幼稚園の保護者に配ったとされる小学校への寄付金の「払込取扱票」には、安倍晋三記念小学校という文言が印刷されていた。前理事長も一時期、この校名で寄付金を募っていたと認めている。

・昨年5月8日、衆院予算委員会で当時民進党の福島伸享氏が、財務省から開示された設置趣意書の大部分が黒塗りだったことを明らかにした。

・同省の理財局長だった佐川氏は「学校の運営方針に関わることなので、情報公開法の不開示情報になっている」と拒んだ。開示するとしても管財人への確認が必要だとも説明。

・財務省は昨年11月、管財人から「開示されても支障はない」との意見書を得たとして、設置趣意書を開示。小学校名は「開成小学校」と記載されていた。

・『朝日新聞』は、前理事長の証言として「安倍晋三記念小学校」と報じたことを含め、この事実を昨年11月25日付の朝刊で「森友の設置趣意書を開示 小学校名は『開成小学校』 財務省」との見出しで伝えた。