銀座・泰明小が「アルマーニ服」にこだわらざるを得なかった理由

生き残りをかけているからこそ…
なかの かおり プロフィール

在校生の保護者は支持?

泰明小のアルマーニ標準服は、和田利次校長が主導で決めたという。中央区教委の担当者は「16の区立小のほとんどに標準服がある。それぞれの学校が導入してきて、教委がジャッジするものではない」とした上で、「校長が様々な意見をくみ取るのは十分でなかった。今後は教委としても保護者や同窓会、地元の協力企業などに意見を聞きたい」と話す。

報道後、区議会議員に導入の経過を詳しく説明しており、その文書によると昨夏に校長から教育長に口頭で「アルマーニにする」と報告があった。在校生の保護者や新入学予定者の説明会でも話をした。昨年11月には、特認校の抽選結果に合わせて価格表を送付。

新入学家族に配布された、標準服価格表 写真/なかのかおり

いくつかのポイントで、保護者から区へ抗議のメールや電話もあった。教育長は2月14日の区議会区民文教委員会で「校長への指導が足りなかった」と反省の言葉を述べた。

だが新入生の多くはアルマーニ標準服の注文を済ませ、すべての保護者が校長の方針に反対しているわけではない。ある在校生の親は、今回の件について取材には答えられないとしながらも「校長先生は温かい人なのに、批判されてかわいそう」と本音をもらした。

他の在校生の親も「確かに決める過程の詳しい説明は保護者になく、校長先生の会見も批判されました。ですが先生を知っている人が見たら、理由があって話しているのがわかります」とかばっていた。

 

「泰明は特別な存在であります」

地元の政治家はこう話す。「学校というのは大事な施設だから、勢いで廃止すべきとは言えない。でも内輪では、銀座に住んでいる人も少ないし泰明小の廃止論はあった」。一方で「泰明小にどうしても入りたい。口をきいてもらえないか」と政治家に懇願する区民もいるといい、特別さは変わらない。

シャネルやエルメスにも打診していたという和田校長。保護者に昨秋、配布した文書には「泰明小はやはり特別な存在であります」との一文があった。理数や英語教育を打ち出す他の特認校が人気の現状もあり、生き残りをかけて何かスペシャルさを打ち出そうと、一流ブランドのアルマーニに結び付いた背景も理解できなくはない。

私自身、肩書や特色を打ち出す「ブランディング」に苦労しているからだ。