銀座・泰明小が「アルマーニ服」にこだわらざるを得なかった理由

生き残りをかけているからこそ…
なかの かおり プロフィール

公立で制服がある学校も

金銭的に余裕があり、親子で受験を頑張れて、距離のある通学ができるなら私立小を選ぶのは自由だ。それが難しいと思った我が家は、娘を近所の公立小に進ませることにした。東日本大震災後の混乱を考えると、小学校は近いほうが安心だし、保育園からの友達や顔見知りの上級生がいる地元はいい。

その公立小にも、制服がある。入学を前に先日、制服を注文した。商店街の小さな店でかなり大きなサイズを勧められた。2万円ほどでオールシーズン、洗って着続ける。インナーは自由。「上級生からのお下がりリサイクル制度もある」と聞くと、洋服を買うより安いかもしれないと思った。コーディネートを考えなくていいのも楽だ。

 

帝国ホテルと交流、画廊巡りも

そもそも、私立小や学区内の公立小とも違う「特認校」とは何なのだろうか。区立の小中一貫校や、特色のある学校は他の自治体にもあるが、特認校という名前は中央区以外で聞いたことがない。中央区教育委員会に取材した。

〇2009年度にスタート。中央区の臨海部の人口が増え、学校の環境が厳しくなったため。

〇人口が増えない地域の学校は、児童が少なく余力がある。

〇中学校は自由選択制を取り入れていた。

この3つの理由から、児童が少なかった泰明・城東・阪本・常盤の4校を特認校とした。学区外から来てもらうには特色が必要だ。区の小学校案内によると、東京駅八重洲口近くにある城東は理数に、145年の歴史がある常盤は英語に力を入れている。

意外と泰明の特色はわかりにくい。学校長からのメッセ―ジには、「島崎藤村、近衛文麿、金子光晴などの有名人を輩出した」とあった。教育委の担当者は「140年の歴史があり、銀座という立地で知名度がある。スポーツにも力を入れる」と説明する。

泰明の在校生を知る女性に特色を聞くと、「泰明小は、地元の帝国ホテルや百貨店、一流レストランと交流する授業があるそうです。画廊巡りもするんですよ」と教えてくれた。

学区を超えて入学のできる「特認校」としての説明 写真/なかのかおり

泰明は一学年60人の児童に対し、特認校制度の受け入れは30人程度。2017年度の実績を見ると、38人の申し込みがあり最終的には27人が入学した。城東は20人に対し55人、常盤は50人に対し68人が申し込んでいて、泰明よりも人気のようだ。