旦那の「発達障害」が原因で離婚も考えた異宗教婚夫婦のドタバタ

信仰の違いよりもハードルが高かった
露の 団姫 プロフィール

こだわりの強さ

続いては、「こだわりの強さ」を見てください。

実は夫は太神楽曲芸師となる前に3年ほど住宅資材の下請け会社で会社勤めをしていたのですが、あるときふと、夫に会社を辞めた理由を聞いてみたのです。すると、普段言葉数の少ない夫がぽつりぽつりと語り始めました。

「ある日、会社の前に子猫が捨てられていたんです。その頃僕は社員寮に住んでいたのですが、子猫を飼いたいって言ったら会社から怒られまして……」

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確かに、社員寮でお世話になっている限りは、ルールは守らねばなりません。

「でも、ここで僕が猫を捨てたら猫の行き場がなくなってしまうので、上司にもう一度かけあってみたんです。そうしたら、上司が言ったんです。『ええ加減にせえ、猫飼うか、会社やめるか、どっちかにせえ!』って」

そりゃ、そうなります。そして夫は続けました。

「で、会社やめました」

家族としてどうサポートするか

そうは見えないのに、空気が読めず、こだわりが強い……夫は今までの人生で、何度も何度も自分では原因の分からない生きづらさを感じてきたようです。私も「さすがにこれは性格とか天然の範囲を超えているし、実際に仕事や人間関係に悪影響を及ぼしている」と強く感じたため、夫とともに専門機関を受診しました。そして6年前、発達障害と診断されたのです。

私自身、医師からはじめて説明を受けたとき、夫の社会生活を全力でサポートしていこうと心に決めました。しかし、はじめのうち私は夫を変えよう変えようとするばかりで、空回りばかりしていたのです。

そこであるとき、夫を変えようとするのをやめてみました。なぜなら、人間は己を変えることすら難しい生き物です。そんな生き物が他人を変えるなど、至難の業でしょう。  

 

恥ずかしい話ですが、結婚当初、私は自分自身が夫からかけられる迷惑のことで頭がいっぱいでした。しかし、よく考えてみたら私よりも一番「生きにくさ」を感じているのは夫自身です。そこで、パートナーとして、夫を社会に適応させようとする作業をやめ、自分自身が変わり、夫の「生きやすい環境づくり」に努めてみようと思いました。

そこでまずは、自身のブログに夫のちょっと笑える失敗エピソードやその独特の思考を載せてみることにしました。読者の反応は上々。すると、夫も自分が「世間に受け入れられている」と感じられるようになったのか、発達障害にしっかりと向き合い、努力するようになりました。そうして、私たち夫婦の道が開けたのです。