ついに早稲田・慶応も無試験で「はい、合格」の時代が来る

それでいいのか大学入試
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大学の数は逆に増えた

その傾向はすでに私立大学に顕著だ。日本私立学校振興・共済事業団の調査によると'17年度の大学入試では、なんと私大の39%が「定員割れ」を起こしているという。

地方の私大や女子大では公立化を図って学費を値下げしたり、定員を絞ることで見かけ上の定員割れを防ぐなど試行錯誤しているが、18歳人口が今後増えることはないと考えれば、抜本的な解決策とはいえない。

そもそも少子化が進むことがかねてから予想されていたにもかかわらず、ここ20年で大学の数が年々増加するという不可思議な現象が日本では起こっていた。

'88年度には490校だった日本の大学は、'17年度には780校と2倍弱も増えた。このミスマッチが、望めば誰でも大学に入れる「全入」時代を生み出すきっかけにもなった。

 

そのような大学教育機関全体の「失敗」に、政府も建設的な解決策を打ち出せないでいるのが現状だ。今年1月、政府が東京23区内の大学の定員増を10年間認めないとの方針を打ち出し、物議を醸した。

梶山弘志地方創生相は学生が都市部へ一極集中することを是正するためと説明したが、小池百合子都知事は「日本の大学の国際競争力がさらに弱くなるだけ」と猛反発している。

だがよく考えれば、人口減少の問題点が指摘されはじめた20年前ならまだしも、もはや激減中の'18年に定員数でさや当てを演じたところで、遅すぎるとわかるはずだ。それだけ問題は深刻化しているのだから。

「人口減少の波を受けて、都心部にキャンパスを置く私大は生徒を集めるために、さまざまな施策を進めてきました。その一例が入試方式の多様化でしょう」(教育ジャーナリストの小林哲夫氏)

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慶應大学の例を挙げよう。入学者の7割前後は従来の一般入試の合格者、そして付属校からの内部進学者である。

だが、そのほかにAО(アドミッションズ・オフィス)入試、推薦入試に帰国生入試など、30年前からすれば考えられないほど入試制度は多岐にわたる。

近年、AО入試による入学者は増加している。この制度はいわゆる指定校推薦とは異なり、志望学生が自主的に大学へ志望動機書を提出する。

面接や小論文といった試験はあるが、一般入試に向けた受験勉強をする必要はないうえに、学校の成績の良し悪しは合否に影響しない形式もある。

言い方を替えれば、難しいペーパーテストを受けずとも、入学許可を手に入れるチャンスがあるということだ。