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地域や世代を超えた「フラットな農業コミュニティ」をつくりたい

新入社員に長靴を薦める社長の想い

多彩な「挑戦者」たちの横顔

STLに参加し、地道に農業に取り組む新規就農者=「挑戦者」は、他に類例がないほど多士済々だ。

機械製作会社で10年あまりサラリーマン生活を送ったあと、2015年からSTLに参加し、現在は鳥取県で「ふじはら農園」を営む藤原直樹さんが言う。

「会社員時代、もっとやりがいのある仕事を探していたとき、有機農業塾のチラシを見て、『農家出身でなくても農家になれるんだ』と知りました。

後継者不足で、そこに生きていく道があるのなら飛び込んでみよう、と。特に強い意志があったわけじゃないんですが、選んだからには本気で取り組んでいます」

藤原直樹さん(撮影:公文健太郎)

スマホアプリを扱うベンチャー企業など、3社のIT関連企業に勤務したあと就農した和歌山県の吉田壮伸さんは「ロジカルな思考」で農業に取り組んでいる。

「農業は感覚的にやらざるを得ない部分もあると思いますが、僕は一本筋が通った理論を理解したうえでやりたい。実際に畑に出たら、単調作業が苦手じゃないこともわかりました。

手を動かしつつ、頭は常に思考している。ロジカルな思考を持ちつつ、自然と向き合いうまく付き合っていくのが農業ではないかと思います」

吉田壮伸さん(右)(撮影:公文健太郎)

「農業をしていると、足元に宇宙を感じる」と語るのは、大学で宇宙物理学を学び、企業で半導体の開発に従事した後に就農、現在は奈良県で「eminini organic farm」を営む東樋口正邦さんだ。

「大地に触れあっていると、地球は宇宙に浮いていることを実感できます。宇宙を学んでいた大学時代より、むしろ宇宙を身近に感じられるんですよ。

微生物で豊かになった土は、いい野菜を生みます。うちの家族が『おいしいなあ』と思う野菜を多くの人に届けて、この幸せな気持ちを広げていきたい」

東樋口正邦さん(撮影:公文健太郎)

それまで歩んできた道のりも、農業にかける思いも多彩だ。そんな個性豊かな参加者たちをつなぐキーワードは、「愛」だと高橋CEOは言う。

「『SHARE THE LOVE』というプロジェクト名が、そのまま私たちの想いなんです。ひと口に愛と言っても、その形は様々。大地への愛もあれば、大切な大地を受け継ぐ次世代への愛もある。農家さん同士の愛もありますし、農作物を通じて生産者と消費者が愛情をやりとりすることもある。こうした愛を共有できるコミュニティづくりを、私たちはお手伝いしたいと思っています」

社員は必ず、農家を手伝う

現在、約150名いるTSTCの社員は、必ず年1回STLの参加農家に足を運び、農作業を手伝う「援農」活動に取り組んでいる。冒頭で触れた「長靴」は、この日のために必要というわけだ。

「農業のお手伝いを体験した社員たちは、『土いじりがこんなに楽しいとは知らなかった』と感動して帰ってきますし、『また行きたい』と言ってくれます。私自身も、昨年はアズキの収穫をお手伝いしたんですが、鞘ごと一旦枯らしてから収穫するなど、初めて知ることばかりでした。いただいたアズキはぜんざいにして、お正月に息子と一緒にいただきました。

弊社には直行直帰で外回りをする社員も多く、同僚と顔を合わせる機会が少ないんですが、農作業を一緒に体験することで『絆』が生まれる効果もありますね。農作業を通じて農家の皆さんと個人的に親しくなり、その後も定期的に援農に通う社員もいます」

鞘に入ったアズキを収穫する。手前右は高橋CEO

援農によって農作業を体験した社員たちは、農業の楽しさを知るだけでなく、自然の厳しさを目の当たりにすることで、環境に対する意識も大きく変わる。

「有機栽培がいかに大変な作業か、実際にやってみると本当によくわかります。雑草駆除一つとっても、『農薬を散布して終わり』ではなくて、雑草を一本一本、丁寧に手で刈っていかなければならないんです。『普段口にしている農作物が、これほどの手間暇をかけて育てられているのか』と、私自身も作業に参加するたびに実感しています。

特に、昨年は台風が多いなど天候に恵まれず、STLに参加している中にも、思うように野菜が生産できない農家さんが少なくなかった。でも、農業の過酷さを知っていると、『天候が悪くても野菜を供給してほしい』というのが、いかに消費者の身勝手かがわかります」

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