ラガヴーリン25年、タリスカー25年の味は衝撃的でした
タリスカー・ゴールデンアワー第11回(前編)提供:MHD
今月のゲストは、多くのシングルモルトラバーが尊敬してやまない人物、根本毅さんである。
12月のゲスト、石神井氷川神社宮司の奥野雅司さんも感心していたが、石神井のとあるバーで毎月出されるブラインドテイスティングのクイズで、見事グレンリベットを当ててしまった御仁である。
⇒参照【ウイスキー歴20年でも、ブラインドテイスティングはさっぱりです】
今回はボブがブラインドテイスティングの問題として2本の謎のボトルを出してきた。果たして根本さんはズバリ言い当てたのか? それは最後のお愉しみである。
(構成:島地勝彦、撮影:立木義浩)
* * *
シマジ: 根本さんはいままでたくさんのレアなモルトをお飲みになったといういいお顔をしていますね。
根本: いやいや、そんなことはないですよ。
ボブ: たしかにウイスキー業界で根本さんは凄く有名な方です。
シマジ: こちらが写真界の大立て者、立木大先生です。
立木: よろしく。シマジ、おれをおだててもなにも出ないよ。

根本: 根本です。今日はよろしくお願いいたします。
シマジ: ところで根本さんはいまおいくつですか。
根本: 66歳になりました。
シマジ: まだお若いですね。わたしより11歳も若いんだ。
根本: シマジさんは77歳なんですか。とてもそうはみえませんね。
シマジ: わたしより凄いのはタッチャンですよ。現在80歳で今年81歳になります。どうみても考えられないでしょう。
立木: シマジ、余計なことをいうんじゃない。最初はカラーで撮影したいんだが、ボブ、今日のスペシャルボトルはなんなの。
ボブ: はい。本日のスペシャルボトルはグレンエルギン12年です。
シマジ: グレンエルギンと言えば、ホワイトホースのメインモルトですね。
ボブ: という風にむかしは謳ってたんですが、いまはあまり言わなくなっていますので、本当のところはわかりません。

シマジ: なるほど。たしかに最近はそういうことをあまり言わなくなったね。ジョニーウォーカーもそうですよね。
ボブ: はい。マスターブレンダーにもうちょっと自由を持たせたほうがいい、という感じですかね。
シマジ: うん、いい香りだね。これは何度ぐらいあるの。
ボブ: 43度です。
立木: じゃあ、ボブ、抜栓していないフルボトルと1杯グラスに注いだのとここに置いてくれない。
ボブ: 承知しました。
シマジ: 根本さんは何歳くらいからシングルモルトに淫したんですか?
根本: そうですね。真剣に飲みはじめたのは36歳か37歳ごろです。
シマジ: 根本さんは最初ニートでお飲みになるんでしょう。
根本: はい。あとで加水しますが。
シマジ: ボブ、わたしはエアレーターでトワイスアップにして飲みたいな。
ボブ: 畏まりました。

シマジ: うん、これは甘く感じるね。でも素晴らしく美味い。
根本: たしかに甘い印象ですね。
ボブ: これがグレンエルギンのいいところなんです。やさしくて。硫黄分を全部排除するために、もの凄く時間をかけて蒸留していくんです。
根本: ワームタブなんですよ。蛇管を水槽のなかを通してアルコールの蒸気をゆっくり冷やしていくんです。シマジさん、ここをみてください。ラベルにも描かれているでしょう。ちょっとわかりづらいんですが、これです。
シマジ: へえ、これがワームタブですか。
根本: そうです。このパイプを通すことによって、蒸気がゆっくり冷やされて、甘みが際立ってくるんです。ボブさん、ジャグのお水をください。水を少し入れると、香りが開いてさらに甘くなるんですよね。