読書嫌いだった小説家を夢中にさせた『幽霊』という本の魅力

今野敏「わが人生最高の10冊」
今野 敏

今野敏さんのベスト10冊

第1位『幽霊―或る幼年と青春の物語―
北杜夫著 新潮文庫 490円
敗戦前後の高校生に蘇る過去の希望と不安。そこに隠された幼児期の記憶を求めて深層意識の中に遡っていく物語

第2位『どくとるマンボウ航海記
北杜夫著 新潮文庫 460円
船医として世界を回遊した「どくとるマンボウ」こと北杜夫の航海記。寄港した国々の生活と風景などが盛りだくさん

第3位『宇宙衞生博覽會
筒井康隆著 新潮文庫 入手は古書のみ
難病奇病珍現象を一堂に集めた博覧会。クレール蟹の甲羅の味噌を食べたため頬が甲羅に変形する「蟹甲癬」など

第4位『野獣死すべし
大藪春彦著 角川文庫 入手は古書のみ
主人公が計画するのは完全犯罪。狙う獲物は千数百万円の大学入学金。大藪デビュー作

第5位『タイタニックを引き揚げろ
クライブ・カッスラー著 中山善之訳 新潮文庫 入手は古書のみ
海底に眠る豪華客船内の鉱石を巡って男のロマンと東西冷戦の思惑が絡む海洋冒険小説

 

第6位『鷲は舞い降りた〔完全版〕
ジャック・ヒギンズ著 菊池光訳 ハヤカワ文庫NV 1000円
ヒトラーの密命に命を賭けて計画を進行するドイツ落下傘部隊の精鋭たちを描く傑作

第7位『容疑者は雨に消える
コリン・ウィルコックス著 宮脇孝雄訳 文春文庫 入手は古書のみ
ある一般家庭で起きた強盗事件の裏に一族の秘密が隠されていた。人気シリーズ第3作

第8位『凍てついた七月
ジョー・R・ランズデール著 鎌田三平訳 角川文庫 入手は古書のみ
「描写も言葉も汚いんですが、読むうちに主人公の2人組が高潔に見えてきて感動します」

第9位『騎士団長殺し』第1、2部
村上春樹著 新潮社 各1800円
「面白い要素が凝縮された村上春樹入門書とも言うべき作品。50過ぎて読むにもいい」

第10位『赤いゾンビ、青いゾンビ。
川上弘美著 平凡社 1300円
「日常を普通に書いているのにちょっと人とズレている、そのズレ方が心地よく魅力的」

『週刊現代』2018年3月3日号より