作家・群ようこさんが断捨離の過程で体験した「思いがけない展開」

後悔はなく、今はスッキリ
群 ようこ

―後半では、人間関係でさえも整理していく様子が綴られます。頻繁にお金をたかってくる母親と弟との対立、そして絶縁。家族の話を赤裸々に書くことに抵抗はありませんでしたか。

すべて事実ですし、他人を罵倒したわけではなくて、自分の家族のことですから抵抗は感じませんでした。雑誌にこの話を書いたとき、「うちもそうなんです」という手紙をたくさんいただいて、驚いたんです。身内を憎み、嫌うことに罪悪感を持っている人たちがいっぱいいた。「自分は親不孝なんじゃないか」「血の繋がった家族を愛せない自分は冷たいんじゃないか」と悩み、その気持ちをずっと隠していた。仲間がいてホッとした、と。

私も、昔は罪悪感がありました。でも、彼らの欲望にはきりがないことが分かって、これは完全に切らないとダメだと。実際、私がお金を出して買った実家に、私が自由に出入りできないなんてひどいと思いません? そこで弟に「あなたたちと同じ墓には入らない」と、はっきり絶縁を伝えました。後悔はまったくなく、スッキリしています。いくら血が繋がっていても人格は別ですから……。自分の人生、どこかでしがらみを捨てることも必要だと思うのです。

―赤裸々に語られたことで、救われる読者はきっと多いはずです。

私は、文章でお金をいただいているプロとして、自分の書くもので嘘をつかないことを心がけているんです。読んでくれる方に「こういうことがあったんだ」と、すべて正直に伝えたい。これからも、「ありのまま」を伝えられる文章を書いていきたいと思っています。(取材・文/伊藤和弘)

『週刊現代』2018年3月3日号より