米国在住「中華系反日リーダー」の死が日中関係にもたらすもの

日本では知られていないが…

彼らの目的は一体…

今年1月20日、米国カリフォルニア州フリーモントで、ある人物の逝去をしのぶ会が盛大に開かれた。その対象となったのは、同月9日に腎臓がんにより71歳で世を去ったサンフランシスコ地域の在米華僑のリーダーの一人・賀英明である。

彼は、南京事件や慰安婦問題といった日本の歴史問題の「真相」追及を訴え、議会への強力なロビイスト活動もおこなってきた全米最大の華人系対日強硬派団体「世界抗日戦争史実維護聯合会」(世界史維会:The Global Alliance for Preserving the History of WWII in Asia)の会長だった人物だ。

生前の賀会長。ちなみに、過去の歴史問題を反省している日本人とは友人になっていたらしい。在米華人団体華人団体のウェブサイト『同湾同享』より

世界史維会は1994年にカリフォルニア州で成立。以来、しばしば対日非難決議の採択を米国議会に働きかけ、2007年6月には同州選出のマイク・ホンダ議員(日系)を通じて、米国下院外交委員会で「慰安婦問題の対日謝罪要求決議」を採択させることに成功した。

また2016年には、世界史維会と関係が深い華人系の元裁判長女性2人の働きかけで、カリフォルニア州の歴史教材に慰安婦問題の記述を正式に組み込ませることにも成功している。

 

なお、昨年末に慰安婦少女像の設置問題を巡って大阪市が姉妹都市提携の解消を検討したサンフランシスコ市のエドウィン・リー前市長(華人系、昨年12月死去)も、生前に世界史維会の関連団体と密接なつながりがあり、2011年の市長選の際に彼らから多くのバックアップを受けていたことが現地中国語紙により報じられている。

サンフランシスコ市のエドウィン・リー前市長の訃報を伝える中国ニュースサイト『新浪網』の記事。「往年の日本帝国主義戦争の罪を糾弾する各種の活動を支持して参加してきた」と説明がなされている


ほかにも世界史維会は、募金を集めて『ニューヨーク・タイムズ』や『ワシントン・ポスト』に慰安婦問題の「真相」究明を求める広告を掲載させたり、「歴史の真実」を伝える展覧会を開催したりもしている。

公式アナウンスによると、彼らの目的は日本政府に歴史問題についての謝罪と賠償を求め、また記念館や記念碑を建設していくこと。アメリカにおいて、いわゆる「歴史戦」の最前線を担っている団体だと言っていい。