AKB48グループ「韓国進出」の前に立ちはだかる「高い壁」

人気番組とのコラボが発表されたけど…
桑畑 優香 プロフィール

「Wanna One人気は、日本にも浸透中」と話すのは、老舗の韓国エンタメ雑誌『韓流旋風』(コスミック出版)の編集部。「Wanna Oneがデビューした直後から、記事を載せると全国のファンから葉書が舞い込む。その多くが10代前半の中学生で、従来のK-POPファンよりも、さらに年齢層が若いのが特徴」と言う。

『PRODUCE101』は、「アイドル育成」という点で、48グループと重なるものがある。では、『PRODUCE48』は一体どんな番組になるのだろうか。Mnetを運営するCJ E&Mの日本法人である CJ E&M Japanを訪れた。

箝口令が敷かれている模様

Mnetは、韓国ケーブルテレビの代表的存在だ。ケーブルテレビ17チャンネルを擁する一大エンターテインメント事業者CJ E&M株式会社によって運営され、加入率は韓国国内で約70%に及び、近年地上波を凌ぐ勢いと影響力を持っていると評される人気チャンネル。かつては制作会社などからコンテンツを買い付けて編成していたが、近年は完全にコンテンツビジネス主体へと移行した。つまり、現在はドラマもバラエティもすべて自社制作なのである。

『PRODUCE101』シーズン1の国民プロデューサー代表チャン・グンソク(©️CJ E&M Corporation, all rights reserved)

「その流れの中で、アーティストを自社で抱えて生かすビジネスが有望ではないかと考えるようになった」とCJ E&M JAPAN株式会社の放送事業部部門長のチャン・ヒョクジンさんは明かす。アーティストをオーディション番組で育て、自社専属とし、歌番組やドラマに出演する際の知的著作権や事業権利を一手に引き受けることにより、そのアーティストによるビジネス展開が可能となるためだ。

ただ、一般的に放送局がアーティストのマネジメント権利を持つのは難しい。他の芸能事務所とライバル関係になり、競合他社のアーティストが出演しなくなる可能性があるからだ。

それを打破するために生まれたのが、様々な事務所に所属する候補者を集めて平等にチャンスを与えるオーディション番組、『PRODUCE101』だった。最終合格者から成るグループのメンバーは、一定期間のみCJ E&Mに所属して活動する。I.O.IやWanna Oneが短期間での解散を前提に結成されているのは、そのためなのだ。

『PRODUCE 101』シーズン2より(©️CJ E&M Corporation, all rights reserved)

日韓のコラボというまったく新しいやり方を取る新番組『PRODUCE48』については、「番組として志しているのは、単に韓国であるいは日本で通用するアーティストではなく、日韓両国でウケるガールズグループを作ることではないでしょうか。おそらく、かなり実力派の日韓アーティストのコラボレーションが生まれると思います」とチャンさんは自信を見せた。

その一方で、選抜方法や最終的な人数についての回答は、すべてノーコメント。情報流出はNGの極秘プロジェクトとして厳戒態勢の中進められている緊張感が伝わってきた。

 

一方、48グループには、インドネシアのJKT48、タイのBNK48で培った成功体験がある。さらに、今年2月4日には、プロジェクトが数年間延期となっていた台湾のTPE48の1期生メンバーがついに発表。フィリピンで立ちあげたMNL48は、1期生を決める選抜総選挙を今年4月に控え、インドにもMUM48が誕生することを公にするなど、海外展開を破竹の勢いで進めている。

秋元氏は、韓国での『PRODUCE48』も、アジアの次の拠点の一つとして考えているのかもしれない。だが、私は成功についてもうひとつザワザワするものを感じていた。韓国には他国とは異なる、越えるべき壁があったはず。それは、「日本語の壁」だ。