AKB48グループ「韓国進出」の前に立ちはだかる「高い壁」

人気番組とのコラボが発表されたけど…
桑畑 優香 プロフィール

ところで101ってなに…?

2月10日土曜日。東京・渋谷マルイ8Fのイベントスペースを訪れると、10代の女の子たちがスマホでパネルの写真を撮っていた。パネルの男の子に顔を寄せ2ショットで自撮りをする姿も。写っているのは、Wanna Oneのメンバーたち。韓国で話題となったオーディション番組『PRODUCE101』から誕生した11人組のK-POPボーイズグループだ。

神奈川県から来たという女子高生2人組は「もともとアイドルグループSEVENTEENのファン。Wanna Oneの曲を最近聞いて気になって、ネットで『PRODUCE101』を見たらハマっちゃって」。推しは、ボーカル担当で「皇帝ビジュアル」の異名を取るファン・ミンヒョンと台湾出身のキュート系イケメンの、ライ・グァンリン。「でも、それぞれのデビューまでのストーリーを知っているので、推しはもちろん、全部好き」という。

Wanna One(photo by gettyimages)

いきなり話しかけたにもかかわらず、明るく答えてくれた2人。だが、『PRODUCE48』についてどう思うかとたずねると、みるみるテンションが下がっていくのがわかる。

「……ちらっと聞いたことあるけど。ってことは、AKBと韓国人がグループ作るんですかね?」

「オンエアされたら、見たいですか?」という質問には、2人で顔を見合わせて一瞬黙り込み、「……ビミョー。自分はAKBのことは興味がなくて、よく知らないんです。周りを見てもK-POPとAKBのファン層は違うし」「韓国の候補生と勝負したら、負けちゃうんじゃない?」

 

『PRODUCE101』とは、Mnetが企画・制作した韓国のオーディション番組だ。101人のアイドル候補生を集め、歌やダンスを競わせてふるいにかける。バトルは番組での公開形式で行われ、観客とテレビの視聴者が投票して勝者を決める「国民プロデューサー」システムを取っているのが特徴だ。

もうひとつのポイントは、候補者たちの所属事務所がばらばらであること。東方神起を擁するSMエンターテインメントや、BIGBANGが所属するYGエンターテインメントなど大手事務所が圧倒的な力を持ち、小さな芸能事務所からのメジャーデビューが難しかった韓国において、小規模な芸能事務所の歌手やフリーのアーティストが大舞台で注目されるチャンスを与えられたのは、画期的なことだった。

2016年に放送された女の子たちが主人公のバージョンでは、得票上位11人からなるガールズグループI.O.I(アイオーアイ)が誕生して同年5月ミニアルバム『Chrysalis』で公式デビューし、大きな話題に。

『PRODUCE 101』シーズン1より(©️CJ E&M Corporation, all rights reserved)

2017年には101人のボーイズが競うシーズン2が放送されると、ケーブルテレビの番組でありながら地上波を含む同時間帯視聴率1位を記録するなど、人気はさらに加速した。

最終総投票数約1600万票の中から選ばれた11人が、Wanna One(ワナワン)を結成。同年8月7日にリリースしたミニアルバム『1×1=1(To Be One)』収録曲の数々が、トップアイドルEXOを抜いて主要配信サイトのチャートに軒並みランクイン。投票で1位のメンバー、カン・ダニエルが朝鮮日報のお堅い時事週刊誌の表紙をアイドルとして初めて飾るなど、社会現象を巻き起こしている。まさに、「国民の、国民による、国民のためのアイドル」なのだ。

ちなみに番組のホストである「国民プロデューサー代表」は、チャン・グンソク(シーズン1)とBoA(シーズン2)、日本でもおなじみのスターが務めている。I.O.I(約8ヵ月で解散)もWanna One(2018年12月に解散予定)も、期間限定グループであることも特徴だ。