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# フィギュアスケート # オリンピック

いよいよ出場!満身創痍の王者・羽生結弦にかけたい言葉

「連覇を期待」「がんばれ!」でもなく

これまでのどの負傷よりも深刻

連覇を目指す平昌オリンピックシーズン。五輪本番に向けて一試合一試合、磨きをかけていく羽生結弦を見られるかと思いきや、10月のロシア杯以降、全く彼の姿を見ることなく平昌五輪が開幕してしまうとは思いもよらなかった。

2月11日、ついに羽生は平昌入り。現地で久しぶりの滑りを見せる以前、彼の五輪2連覇をめぐってふたつの意見が出ている。

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「1月まで練習ができなかったとなると、かんたんなケガではない。平昌本番まで時間もなかったし、実戦の機会もなかった。さすがの羽生でも、連覇は厳しいのではないか」

メディアでもたびたび発信されている、悲観的な見方。やはり60数年も成し遂げられずに来た「五輪連覇」とは、並大抵のものではないのだろう。人々は改めて、彼の目指していたものの大きさ、困難さを思う。

しかし、もうひとつ。

「いや、羽生ならばやってくれるのではないか」

「ケガという大きすぎるアクシデントを経たからこそ、あの男はやり遂げる」

根強い意見として、そんな期待を寄せる声は大きい。

 

冷静に考えれば、やはり羽生の五輪連覇はとても難しいだろう。

彼はケガの多い選手として知られており、15‐16年には左足靭帯損傷、14‐15年には右足首の捻挫など、負傷を抱えたままシーズンを送ることも多かった。さらに遡れば、初めて世界選手権に出場した11‐12年も公式練習中に右足首の靭帯を傷め、翌12‐13年も左膝を故障。他にも腰、関節など大きく報じられていない負傷、身体の痛みも数多くあるという。

よくこんな身体で五輪チャンピオンに、世界チャンピオンになれたものだ、と感心してしまうくらい、満身創痍だ。

そんな彼だが、グランプリファイナルの優勝が4度もあるため、毎シーズン王者となっている印象が大きい。しかし実際にシーズン最大のタイトル、五輪や世界選手権がとれた年は、13‐14のソチ五輪シーズンと、3年ぶりに世界チャンピオンとなった16-17シーズンの2年。この2年はいずれも身体の調子が比較的よく、大きな痛みを抱えることなく乗り切ったシーズンだ。

ケガを乗り越えてでも勝利をつかむ、というイメージがある羽生だが、シーズン最大のタイトルを取るためには、やはり万全の体調が必須条件になるだろう。

にもかかわらず、今シーズンのケガ、右足関節外側靱帯の損傷は、おそらくこれまでのどの負傷よりも深刻だ。ケガをかかえたシーズンであっても、彼はこれまで、今季ほど多くの試合を欠場することはなかった。

羽生結弦は、たとえチャンピオンシリーズなどの小さな試合でも、よほどのことがなければ欠場を選ばない。2014年のフィンランディア杯を腰痛で欠場した時も、小さな試合ながら羽生初戦ということで、テレビの中継が予定されていた。そんな盛り上がりに、自分の欠場で水を差してしまったことを、彼は大いに気にしていたという。