最高級官僚たちが明かした「視点」
今週、外務省と財務省のトップ級高官と相次いで食事を交えて長時間、話す機会を得た。
オフレコ懇談なので、当然ながら相手の名前を記すことはできない。
だが、実に興味深い内容だったので、そのまま引用しないが概略を紹介したい。であれば、当該の高官も許しくれるはずだ。
まず、外務省高官から。トランプ米政権についての分析が際立っていたので、以下箇条書きする。
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(1)ドナルド・トランプ大統領誕生から1年が経ち、同政権は内政、外交共に伝統的かつ現実的な共和党の政策に回帰しつつある。オバマ前政権のアンチテーゼから出発して、それを実行している。
と同時に、一昨年の大統領選でコミットした公約を着実に実現しつつある。大型法人減税、巨額インフラ投資、イスラエルの首都エルサレム認定など。
![[写真]2月8日、ナショナル・プレイヤー・ブレックファスト(全国朝餐祈祷会)で兵士や退役軍人をたたえたトランプ大統領(Photo by GettyImages)](https://gendai.ismcdn.jp/mwimgs/5/c/-/img_5c7cca6d3b3c4e7ddfb04d905604efe31259448.jpg)
(2)昨年12月に発表した「国家安全保障戦略(NSS2017)」は、4つの柱で組み立てられていて、その第1に「米国第一主義・リアリズム(国際政治では力が中心的な役割を果たす)」と記されている。
さらに注目すべきは、「地域のパワーバランスの変化はグローバルな影響をもたらし、米国の国益を脅し得る」とした上で、「中露は米国の力・影響力・利益に挑戦する修正主義勢力」と断じて、中国とロシアを名指ししていること。