外国人から見た東京の不動産「安いが、未来はない」という残念な現実

単なる投資の対象で、住む場所じゃない
渋沢 詠一

ニセコの一軒家を「9万ドル」で

東京は、単なる投資の対象としては安くて魅力的だが、生活の場としては将来性がない、というのが、外国人たちの一般的な見方のようだ。いっぽう、地方都市のなかには意外な評価を受けているまちもある。

北海道のスキーリゾート・ニセコに外国人観光客が押し寄せているというニュースは、どこかで聞いたことがあるだろう。東日本大震災の起きた2011年に比べて、その数は2倍以上に達しているという。近年では、先に紹介した香港やシンガポールから大量の投資マネーが入っていることが、日本のメディアでも報じられている。

 

「デイリー・メール・オーストラリア」(2017年6月5日)は、首都シドニーとメルボルンで深刻化している住戸不足を受け、日本に住宅を買う人たちが出てきていることを特集。その一例として、友人たちとニセコの一軒家を「9万ドル」で買った30歳の男性について、次のように紹介している。

「彼らは、雪原のまちニセコに買ったベッドルーム三部屋の戸建てを休日を過ごすために使い、自分たちが使わない時間はエアビー(Airbnb)を通じて短期貸しする計画だ」

北海道・ニセコ海外マネーがなだれ込む北海道・ニセコ photo by gettyimages

「『僕は転売するためにニセコの家を買ったわけじゃないし、売り飛ばして儲かったカネでオーストラリアの不動産を買うつもりもないよ。でも、買ってからたった6か月で値段が跳ね上がったんだ、わかるかい?』と彼は言った」

「ちなみに、シドニーの郊外にあるベッドルーム3部屋付きの戸建ての価格を、オーストラリアの不動産ポータルサイトで調べたところ260万ドルだった。メルボルン市内だと、230万〜250万ドル。金融機関OFXの調査によると、18歳から30歳までの若いオーストラリア人のあいだで、海外の不動産を購入する人が増えているという」

日本人にとっては交通の不便な田舎町でも、海外の人たちにとっては「安くて、生活環境もいい」絶好の不動産になりうるわけだ。

日本の不動産市場は「破綻しかけている」

フィナンシャル・タイムズ(2017年11月17日)は、「日本の不動産市場は頭打ち?」と題する記事を掲載した。その要点は次の通りだ。

「忠義を重んじる日本人の象徴とも言える秋田犬『ハチ公』。その銅像は今日も渋谷の待ち合わせスポットとして変わらぬ人気を誇るが、かつて集産主義的だった日本の文化は、徐々に伝統への崇敬を失い、より個人主義を重んじるようになってきている。そのことが、不動産市場の急激な変化に寄与している」

「英不動産大手サヴィルズの担当者によると、2020年東京五輪が海外からの投資を呼び込んでおり、その多くが東南アジアからだという。『東京の不動産は高いというが、濡れ衣だ。ロンドンや香港に比べたら安いくらいだ』とその担当者は言う。実際、都心5区にある中規模の共同住宅は平米当たり1万5000ドル程度だが、香港で同じ物件を買ったら4万ドルはする」