韓国で発売「安倍首相暗殺」を予言するトンデモ反日小説の中身

平昌五輪の前にもう一度考えておきたい
竹嶋 渉 プロフィール

安倍首相がなぜハルピンに向かっていたのかというと、日本によって悪化した東アジア情勢を周辺7ヵ国と討議するためであった。

なぜ、日本によって東アジア情勢が悪化したのかというと、これは「日本の右傾化」が原因であった。日本は竹島(独島)領有権問題、尖閣諸島をめぐる中国との対立、集団自衛権の行使容認、憲法9条の改悪の問題などで、周辺国との間に絶え間ない摩擦と緊張を作り出していた……からである。

このあたりは韓国人独特の国際感覚である。

韓国に住んでいればすぐわかるが、韓国では、日本が「軍事大国化」をめざし、「歴史に対する無反省」で一貫しており、「周辺国に対する領土的野欲」をむき出しにした「アジアのトラブルメーカー」である、と認識されている。少なくとも、韓国マスコミの国内向け報道を見ている限り、そうである。

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そして、韓国人は自分たちが日本を忌み嫌っているように、国際社会、特にアジア諸国でも日本は嫌われているに違いない、と思い込んでいる場合が多い。

東日本大震災の際に、日本に寄せられた国際援助の多さが韓国でも報道され、「日本がこれほどまでに世界で愛されていたとは知らなかった」などと驚いていた韓国人もいたほどである。

その一方で、尖閣列島や南沙諸島などに領土的野欲をむき出しにして、ステルス戦闘機や空母などを建造している中国や、核兵器を開発して、ミサイルを撃ちまくったりしている北朝鮮については完全にスルー。強者と身内には甘い、極めて偏向した国際感覚なのである。

安培首相、安重根の亡霊(?)と出会う

さて、安培首相が乗った「和諧731号」の車内では豪勢な祝宴が開かれるのだが、首相は胃腸が弱いのを忘れて飲み食いにふけり、その挙句に下痢を起こす。就寝後にも下痢でトイレに行き来していた安培首相の前に、突如、安重根があらわれる。

「下痢は止まったか、安培?」

突然、背後から聞こえた声に驚いて振り返って見ると、白い韓服に白い綿入りの上着を重ね着した、カイゼル髭が目につく男が立っていた。

「だ、誰だ!」

わざと声を高めて叫んだのは、明らかにドアの外にいる警護員に聞こえるようにするためであった。しかし、男は泰然として笑い、両手を広げて見せた。武器を持っていないので、危害を加えようとする意図がないというつもりのようだった。

「お前は、誰だ?!」

「私は大韓国人、安重根である。」

「安重根?」

なぜ、100年も前に処刑された安重根が、いきなり現代に現れたのかについてはまったく言及がない。安重根の亡霊であったとか、安重根の守護霊が降臨した第三者だったとか、実は安重根の孫だったとか、同姓同名の他人だったとか、読者を納得させるための説明がないのである。

また、安重根(の亡霊?)は韓国語を、安培首相は日本語を話しているのだが、会話にはまったく支障がない。これについては著者も「奇妙なことであった」などと書いている始末。

 

安培首相を糾弾し、狙撃

ともあれ、安重根は韓国語で日本の過去の罪悪を並べ立て、安培首相を非難し始める。

「去る1937年12月から約6ヵ月にわたって、お前ら日本軍が大部分民間人であった中国人30万人を屠殺した!」

「1937年7月7日、盧溝橋でお前らの自作自演によって、中国軍を挑発し、交渉を決裂させ、中日戦争を起こしたではないか!」

「お前らは人間をマルタと呼んで、あらゆる生体実験を行い、死んでゆくのを見ていたのではないか!」

これに対して安培首相は「中国の誇張だ」「過去の事だ」「証拠が明らかではない」「私とは関係ない」などと、のらりくらりとかわすばかり。これに怒った安重根は、安培首相の靖国参拝を猛烈に非難した挙句、こう叫ぶ。

「お前らは古代から略奪が骨の髄までしみこんだ種族ではないか。倭寇という名の海賊行為から太平洋戦争に至るまで、持てる力で隣国を侵し、殺人をほしいままにした挙句に痛い目にあい、今、また力をつけたと見るや、その骨の髄にしみ込んだ根性が鎌首をもたげているのだ!!」

これに対して、安培首相は反論を開始する。