「夜中にゴミ出す」「ホテルの備品持ち帰る」は実は立派な犯罪だった

「知らなかった」では済まされません
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他人の子供を叱ったら

■病院で医師に処方された薬を、家族や友人にあげる

「これは絶対にしてはいけません。市販薬なら何の問題もありませんが、病院で処方された薬を第三者(家族を含む)に渡せば、薬機法違反になります」(前出・荘司氏)

薬機法24条には「医師や薬剤師など許可を得た者でなければ、薬の販売、授与をしてはならない」と定められている。自分が病院でもらった風邪薬を、余ったからといって家族にあげると罪になる可能性があるのだ。

「医師は患者の性別、年齢、体重、アレルギーの有無などを考慮して薬を処方しています。もし違う人が飲んで、体調に異変をきたしたり、アナフィラキシーショックを起こして死亡したりした場合、傷害や傷害致死になるので注意してください」(荘司氏)

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■自宅で嫁や娘の風呂をのぞく

実際に刑事事件になる可能性は低いが、軽犯罪法1条23号により、正当な理由がなく人の住居、浴場、更衣場、便所などをのぞくことは禁止されている。

「家族でも『他人』である以上、犯罪になりうると思います。たとえば完全に夫婦関係が冷め切っているのに妻の入浴をのぞいたり、成人した娘が嫌がっているのに何度も風呂の扉を開けたりすれば、父親であっても通報されるかもしれません」(前出・谷原氏)

■他人の子供を大声で叱る

「状況によりますが、生命身体に対する危害の告知をすれば脅迫罪、近隣に迷惑をかけるほどであれば軽犯罪法が適用される可能性はあります。

『殴るぞ』『殺すぞ』など子供を畏怖させるに足る程度の言葉は、脅迫罪になります」(前出・谷原氏)

一方で「ボケ」「クソガキ」くらいは単なる悪口なので、法律上罰せられることはないというが、土下座をさせるのは強要罪となる。

 

■酔っ払ってタクシーに乗り、嘔吐する

「故意にやれば業務妨害罪になる場合もあるでしょうが、通常、故意ではないと思うので、犯罪ではなく、民事で損害賠償の問題になります」(前出・谷原氏)

賠償額は状況により変化する。座席や車内の清掃だけなら実費で2万円程度あれば充分だが、車内を汚されたことでその日は営業ができなくなるため、本来なら稼げたはずの利益まで賠償を求められる場合もある。

「これは『逸失利益』と呼ばれるものです。地方と都会では当然異なるし、同じ都会でも平日と週末では売り上げが異なるため、賠償しなければならない金額も変わる。

その意味では週末や年末などの繁忙期、深夜でなく夕方の早い時刻に汚してしまうと賠償額が上昇する可能性があります」(前出・荘司氏)

賠償金を払わないと最悪の場合、裁判沙汰になることもある。

■住所不定で定職に就かずフラフラする

軽犯罪法1条4号「働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたもの」に該当する可能性がある。

にわかには信じがたい罪だが、'12年には実際に、深夜の国道をうろついていた石川県出身の54歳の男性が「浮浪」の容疑で、奈良県警に現行犯逮捕されている。

その一方で「職権乱用だ」「ホームレスはどうすればいいのか」という声もある。あの山下清もへたをすれば、逮捕されていたかもしれない。