眞子さまはなぜ自由に結婚できないのか? 「非戸籍の日本人」の苦悩

これは国民全体の責任かもしれない
井戸 まさえ プロフィール

「納采の儀=結納」の大きな意味

【憲法第二十四条】
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

婚姻は上記憲法第24条のもと制定されている戸籍法第74条に従って届け出ることによって効力が生じる。

その手続きは簡単で、民法第739条第2項により届出は当事者双方及び成年の証人二人以上から、書面又は口頭で行なう。

ただ、実はいつ結婚が成立したかに関しては国家法と「届出」と社会習俗の「結納・挙式」の間で乖離があることが明治以降に問題となってきた。

まさに今回の眞子内親王の婚姻延期の発表が、一般の「結納」にあたる「納采の儀」の前に行なわれたというのはひとつのポイントである。

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最近では「結納」をする人は減ってきている。しかし、なおも婚姻はその予約ともいう「結納」、その後に挙式披露宴をし、婚姻届出を提出して結婚生活が始まる、というのが「順序」とされている。

どこで婚姻が成立するかといえば、いわずもがな民法第739条第1項により「婚姻は、戸籍法の定めるところによりこれを届け出ることによって、その効力を生じる」である。

明治民法第775条第1項も同趣旨であったが、結婚の社会的承認である結納、挙式、また披露といった儀式、また実質の婚姻生活の始まりと、法律上の届出との間に乖離があることが、明治時代から大きな問題となっていた。

実質の婚姻生活が存在しても、当時の女性たちは届出をしたくとも戸主が反対したり、「跡取りを生むまでは届出を認めない」というものもあったりで、届け出を出すに至らない場合が多かったのである。

こうした中で「結納」は大きな意味を持った。

 

結納をし、婚約をすれば、当事者同士に婚姻への意志があり、内縁として夫婦に近い身分関係を認め、縁夫、縁女と言われ、服忌の義務も生じるとされた。縁女が密通すれば、姦通罪にも問われたのである。

こうしたことは現在での「婚約不履行」等にもつながってくるところでもあるが、当事者が結婚の意志を示すだけでなく、儀式として社会的承認をえる「結納」を行なう前か後かでは二人の権利義務関係は相当に違ってくる、ということなのだ。

つまり「結納」前ならば引き返せる、ということでもある。

宮内庁が「婚約」でななく「婚約内定」解消も視野に入れているかどうかはわからない。しかし「婚約」ではなく、今の状態は「婚約内定」。

ことほど左様に、女性皇族の皇室離脱は用意周到に準備されていくとも言える。