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眞子さまはなぜ自由に結婚できないのか? 「非戸籍の日本人」の苦悩

これは国民全体の責任かもしれない
眞子さまと小室圭さんの「結婚延期」が発表された。実はそこには、週刊誌報道とは無関係の、ある事実が深く関わっていた。
天皇と皇族には戸籍がない――これは何を意味するのか? 無戸籍者の問題を追い続けてきた井戸まさえさんが、皇族と戸籍について考察する。

眞子内親王に戸籍があったら…

ここにも戸籍がなくて、苦悩する若者がいる。

秋篠宮眞子内親王。

宮内庁は6日、内定していた法律事務所社員の小室圭さんとの結婚が延期されると発表し、眞子内親王のコメントを公表した。

「それが叶わなかったのは私たちの未熟さゆえ」

この言葉の中には様々な事情が垣間みえる。

 

もし、眞子内親王に戸籍があったら、憲法24条により、親の同意も、関係者の理解もいらず、ふたりの意志だけで婚姻する選択肢はあったはずである。

周囲の反対があっても、共に働き、経済的独立を果たし、互いを支え合い家庭を作る。

だが非戸籍者である皇族は戸籍を持つ者の他力を借りなければ、戸籍を作ることも、意志があったとしても婚姻することもできないのである。

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皇族に「入る・出る」ということ

天皇と皇族には戸籍がない。

天皇ならびに皇族に関する身分事項は、皇室典範および皇統譜令に定められた「皇統譜」に記される。

「皇統譜」は天皇・皇后に関する事項を扱う「大統譜」、その他の皇族に関する事項を扱う「皇族譜」の二種があり、皇室の身分関係(家族関係)、皇統を公証する。

婚姻により皇室に入る民間人は、それまでの「戸籍」を失うことになる。逆に結婚して皇室を出る女性皇族は、自分の戸籍を持たないまま夫を筆頭者とする戸籍を作り、そこに登録される。

戦後に改正された皇統譜令(1947年政令第一号)においても従前の皇統譜を継承するものとされた。皇族の身分を離脱した者は皇統譜から除籍、新たに戸籍を編纂。非皇族=「臣民」の戸籍に入ることを「降下する」という。

離婚や離縁があっても元皇族は復籍することはない。

皇族女子が臣下に嫁すことで皇族でなくなる場合は臣籍降嫁(しんせきこうか)と言うが、新憲法下では皇室離脱となり、明治以降約40例の記録が残る。最近では紀宮清子内親王、高円宮典子女王の例がある。

1947年には「皇族の身分を離れた者及び皇族となった者の戸籍に関する法律」が制定され、死別、離縁等の事情があるときには女子のみ皇族の身分を離れることができると規定された。