「キンコン・西野さんに感謝」はれのひ被害者が語る、あの日のこと

やり直し成人式で見せた笑顔

成人式から毎日泣いていた

「成人式の日から毎日泣いてました。気持ちがおさまらなくて、ツイッターで『はれのひ』を毎日検索……そうしたら西野さんが『成人式をやり直そう』と書いたブログを見つけたんです」

そう語るのは、「はれのひ」被害者の駒田光紗季さん。2018年1月8日、全国で成人式が執り行われた日、朝からツイッターには「着物が届かない!」「はれのひ連絡取れない!」という悲鳴のようなツイートがあふれた。篠崎社長の行方は知れず、SNSは「はれのひ」キーワードで大騒ぎになった。

そんな中、12日の朝「『はれのひ』被害に遭われた新成人の皆様へ」というタイトルのブログを挙げたのが、キングコングの西野亮廣(37)である。

西野はこの記事の中で被害者の方々に向け「大人になる日に大人が裏切ってしまったことを、同じ大人として、とても申し訳なく、そして恥ずかしく思っています。本当にごめんなさい」と書いた上で、被害者の方々にやり直しの成人式をプレゼントすると宣言した。

そして2月4日日曜日、「あらためて新成人を祝う会」と名付けられたやり直し成人式に参加したのは約100名。「はじめは何千万の自腹を覚悟した」という西野だが、「協力したい」という声が相次ぎ、「そこまでの赤字ではないレベル」での成人式となったという。西野と親しい武井壮はパーティの余興を、堀江貴文は参加者全員に仮想通貨のお年玉のプレゼントを用意していた。

ホリエモンからの参加者へのお年玉は仮想通貨の「NEM」。「こういう機会に仮想通貨に触れさせてあげようとしてる。実はホリエモンは優しいんですよ」(西野)

着付けやメイクなどのスタッフとボランティアは総勢300名。金沢から車で1日かけてきた珈琲店の方もいる。みな、「あのニュースを知って何かしたいと思った」という人たちばかりだ。

着付け会場で「何も届いていません」

約45万円で振袖一式を購入していたという、横浜市在住の駒田光紗季さんは、薬科大学の2年生。勉強に忙しく、成人式のあとに期末試験を控えていたが、あまりのショックに成人式直後は冒頭のように毎日泣いていたという。

着付けを終えた光紗季さんを迎える母親のふじ江さん。二人ともとても嬉しそう。

1月8日の成人式当日、光紗季さんは朝7時に着付けをする新横浜国際ホテルに到着した。しかし、受付にいくと「はれのひ」の表示はどこにも見当たらず、ホテルスタッフに聞くと「何も届いていません」と言われた。母親のふじ江さんが言う。

 

「娘と呆然です。ホテルの方に『どうしてないのですか』と聞いても、『はれのひのスタッフも誰も来ておらず、着物もなにも来てないんです』と繰り返すばかりでした。せめての対応として着物を持っている人には業者を紹介し、ヘアメイクや着付けをしてくださるように手配してくれていましたが、明らかに困惑していました」

同じはれのひの被害者でも、レンタルであれ購入であれ、着物一式すべて届いていなかった人、一部事前に受け取れていた人など様々だ。不運なことに、光紗季さんは購入したすべてが、当日はれのひから着付け会場のホテルに届けられる予定だった。しかも光紗季さんの成人式は午前10時半からの予定だった。

「『式だけ出たら?」と娘に提案しましたが、『みんな着物だから嫌だ』と。もうどうしたらいいのかわからなくて、ホテルから警察に電話し、交番に被害届を出そうとしました。しかし『詐欺か倒産かもはっきりしないので、今は被害届も受理できない』と言われ、帰るしかありませんでした。私はシングルマザーなので、せめて振袖だけは好きなものを買ってあげようと頑張ったのですが……」

光紗季さんは自宅に帰ると部屋に閉じこもり、ずっと泣き続けていたという。

「悲しくて式には行けませんでした。友達から『どこにいるの?』というLINEがたくさん来ましたけど……今年は厄年だなとかそんな風にしか思えなくて」(光紗季さん)