本当に「地方活性化の鍵」なのか?「インスタ映え」のダークサイド

目的と手段の逆転が起きると…
岡本 亮輔 プロフィール

観光化がもたらす悪影響

冒頭で挙げた講演で、安倍首相は「SNS映えする街道風景を増やしていきたいと思います」と述べている。

昨年4月には、山本幸三・前地方創生相が、「観光マインドのない学芸員はがんだ」という旨の発言をして批判を浴びた。

語り方は異なるが、この2つの発言には通底するものがある。

〔PHOTO〕iStock

文化や歴史をとにかく観光客誘致のための材料にしてしまおうというのである。そしてその広告手段として、写真とネットの持つ訴求力と拡散力の高さに期待が寄せられている。

写真映り重視にも、文化財の活用重視にも共通するのは手段と目的の逆転だ。

 

そもそも、写真は観光地へ誘導するための手段であるし、文化財活用は、たとえば保存に必要な資金調達のための手段であった。

だが手段と目的が逆転すれば、写真映えしない観光地の価値は下がり、活用されない文化財の価値が認められない。こうした状況は、観光化がもたらす悪影響としか言いようがないだろう。