Photo by iStock

フェイスブックやディズニーも参戦…ネットTVが地上波を駆逐する日

使えるカネがケタ違い

使えるカネが桁違い

「アマゾン・プライム・ビデオやネットフリックスなどのネット動画配信サービスがいまこれほどまでに人気を集めている理由は、独自制作の映像のクオリティが非常に高いからです。

製作費や配信権購入費もケタ違いで、アニメなら20分ちょっとの作品1本で2000万~3000万円かけることも少なくない。外資のネット配信は、日本の配信権相場の5~10倍といわれています」(メディア・コンサルタントの氏家夏彦氏)

テレビ市場の規模が世界的に縮小していくなか、ネット動画業界ではビッグマネーが日々動いている。

'17年末、ネットフリックスの契約者は全世界で1億1700万人を超え、時価総額は1000億ドル(約11兆円)を突破した。これはゴールドマン・サックス・グループや半導体大手のクアルコムに並ぶ金額である。

さらにネット動画配信サービスへの市場進出に、かのディズニー社も本腰を入れはじめた。'17年12月、『スター・ウォーズ』などのビッグタイトルを持つ21世紀フォックス社の事業の大半を約5.9兆円で買収したのだ。

Photo by GettyImages

これまでディズニーが制作してきたアニメや映画は、定額制ネット動画配信サービスを介してなら観ることができた。ところが'19年、ディズニーは自らが運営するプラットフォームでしか観られないように制限する。

「ディズニーのように圧倒的な強みを持つ映像制作会社が独自のメディアを持てば、当然それを独占的に配信したほうが利益は大きいでしょう。

ディズニーは他のネット動画配信サービスよりも安い月額料金を設定すると宣言しています。今後競争が過熱していけば、ディレクターや俳優など、制作に必要な人材の『囲み合い』が進んでいく可能性もあります」(ネットメディアに詳しいライターの前川ヤスタカ氏)

 

これまでメディア業界をリードしてきたテレビから、ネットがどんどんコンテンツを吸い上げていく――。

実際、すでにTBSやフジテレビなどキー局はネット動画配信サービスに映像を提供していて、ネット動画のみ利用する視聴者からはその番組がどの局で制作されているか判断できないこともあるのだ。

ネット動画が群雄割拠し、シェアを奪い合っているさなか、日本のテレビ業界は後手後手の対応に回っていると言わざるを得ないだろう。