決算資料が教える「まるで不動産屋のTBS」「老人ホーム運営フジ」

これがキー局本当の実力か
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化粧品が売れて儲かった

そんなフジ・メディアHDと同じく、「テレビ以外」で稼ぐのがTBSHDだ。

TBSHDの営業利益('17年3月期)198億7800万円の内訳を見ると、最も多く稼いでいるのがフジ・メディアHDと同じく「不動産事業」。営業利益77億3600万円は全体の4割ほどを占めている計算になる。

とはいえ、幅広く手掛けるフジの不動産事業とは違い、TBSHDの不動産事業はほとんどが東京・赤坂に一極集中。その中心が旧本社エリアを再開発した『赤坂Bizタワー』で、博報堂、国際石油開発帝石などの本社が入る超人気テナントビルである。

「TBSHDが同エリアで手掛ける高級賃貸マンション『赤坂ザ・レジデンス』も大人気で、90㎡で家賃月額70万円ほどでもすぐに埋まってしまう。この2つの不動産からの賃料収入がTBSHDの経営を支える大きな柱になっている」(前出・西氏)

 

TBSHDでは、不動産事業の「次」に稼ぐのもテレビ事業ではなく、営業利益61億6800万円で利益全体の3割超を占める「映像・文化事業」。

映画や展覧会、演劇などを手掛ける部門だが、じつはその利益の多くを稼いでいるのはそうしたイベントビジネスではなく、スタイリングライフHDとグランマルシェという2社だ。

「スタイリングライフHDはあの輸入生活雑貨店『PLAZA』などを運営している会社で、業績は絶好調。化粧品などの製造・販売も手掛けていて、昨年はオリジナル化粧品『サボリーノ目ざまシート』が累積販売で1億枚を超えるほど大ヒットしています。

グランマルシェは通販会社で、TBSで放送されている『買い運!おびマルシェ』『キニナル金曜日』などでのテレビ通販が好調。メーカーと組んで開発している美容機器なども売れていて、今年度上期の営業利益は前年比で約275%増と大躍進中です」(前出・鈴木氏)

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化粧品と美容機器が会社の経営を支えているとは、TBS社員でも知らない人がいるのではないか……。

ちなみに、TBSHDでは、経営が「万が一」に陥ったときに使える「秘策」も用意されている。

「あまり知られていないでしょうが、半導体などを製造する東京エレクトロンという会社の大株主なんです。

'63年に東京エレクトロンが創業する際に出資していたためですが、いまやその保有株式の価値が1000億円近くになっている。本業とは関係がないので、いざとなったときにはこれを売る『奥の手』として使える」(TBS社員)

不動産、小売り、通販、……テレビ業界全体で顧客離れが待ったなしの状況になる中、事業を多角化することで新たな経営の成長の柱を作ろうとしているのがTBSHDとフジ・メディアHDだというわけだ。

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