# 憲法 # 安全保障

憲法9条を先進的だと思ってる日本人が、根本的に誤解していること

世界が驚く奇想天外な状況
伊勢崎 賢治 プロフィール

彼らが9条の優位性を訴えたい動機は理解できる。

でも、護憲派の憲法学者たちの中には、“既得支持者”への配慮か、これも膝の力が抜けるようなことを公言する人たちがいる。公の場で同席する機会が何回かあるのだが、支持者の前で恥をかかすようなことは、筆者にはできない。

だが、これははっきりしなければならない。

時系列的に、①国連憲章制定(51条)→②原爆投下→③日本国憲法制定(9条)だから、「原爆投下を知らない国連憲章51条より憲法9条の方が先進的だ」などという雑な議論をしてはいけない。

②原爆投下は「交戦法規」上の違法性の問題である。対して、①国連憲章51条は「開戦法規」だ。

事実、原爆投下直後、当時の日本政府は、当時すでに戦時国際法で市民への無差別攻撃を厳禁していた原爆投下の「交戦法規」上の違法性を、永世中立国スイスを通じて訴えているのだ。③日本国憲法制定(9条)のずっと前である。

「開戦法規」(国連憲章51条)と「交戦法規」(戦時国際法/国際人道法)を基軸とする国際法レジームに対して、9条の優位性は、残念ながら、それを考えるのが不遜なほど、ない。

ないと言ったら、ない、のだ。

主権なき平和国家
武装解除伊勢崎賢治氏が世界屈指の紛争解決請負人となるまでの「原点」、そして現場で考えた「平和論」