住宅ローンで100万円以上トクする「返済額増額」という裏ワザ

繰上げ返済より効果大
山下 和之 プロフィール

金利が高くなれば効果増大

この返済額増額、金利によって効果は大きく異なってくる。現在の住宅ローン金利は1%前後の超低金利だから1万円以上の増額でも、トクできる金額は100万円以下にとどまるが、これが金利2%、3%と上がっていったときには、効果もその分大きくなるのだ。

図表3・4が金利3%の場合の効果を示している。

 

金利3%で毎月返済額を5000円増やした場合には、トクできる金額は112万円に達する。図表1でみてきたように、金利1%だと効果は30万円だったから、3.7倍の効果を発揮してくれるわけだ。

それが、約1万3000円の増加だと、トクする金額は275万円に増える。図表2の金利1%に比べると効果はやはり3.6倍に拡大する。今後、住宅ローンを借り入れたあとには、金利が高くなる可能性もあるので、ぜひ覚えておきたい点だ。

返済額増額時期は早いほどいい

この返済額の増額の効果、金利による違いだけではなく、増額の実行時期、ローン残高などによっても違ってくる。

時期的には、繰上げ返済と同じように、早いほど効果が大きくなる。

図表2の借入額3000万円、金利1%、35年元利均等・ボーナス返済なしで、3年、36回後に約1万3000円増額した場合、返済期間短縮効果は5年で、トクする金額は76万円だが、これが10年後になると、同じように約1万3000円返済額を増額しても、返済期間短縮効果は4年ほどにとどまり、トクできる金額も約48万円に減少する。

それでも、それなりに効果はあるので、実行しない手はないのが、できるものならできるだけ早く増額したいところだ。

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また、当初の借入額が3000万円ではなく、5000万円に増えた場合、毎月返済額は14万1142円。3年後に返済期間を2年間短縮するためには返済額は14万9131円に増える。総額は約8000円と多少増えるため、残り返済期間の増額は約288万円に及ぶ。

しかし、それによって24回分の約339万円の支払いをカットできるので、差し引きすると51万円のトクになる。

 

借入額3000万円だと図表1にあるようにトクする金額は30万円だから、21万円トクする金額が増える計算だ。

何らかの事情で複数のローンがある人なら、金利の高いローンから、そして借入額の多いローンから、早め早めに返済額増額していくことが総支払額を抑え、早期の完済につながる。

なお、この返済額の増額には金融機関別にさまざまな条件がある。数千円から数万円の手数料がかかり、増額幅に関しても規定が設けられていることが多い。まずは、利用している金融機関の条件をシッカリと確認した上で、できるだけトクできるように実行していただきたい。

また、これから住宅ローンの利用を考えているのであれば、この返済額増額や一部繰上げ返済の手数料、条件などについても事前にチェックして比較検討の一項目に加えるようにしておくのがいいだろう。