筆者撮影

「無限の欲望の街」深センを視察して見えた、日本産業の暗い未来

このままでは「中国の下請国家」になる

中華民族の「最新形」を見た!

そこはまさしく、中国人の無限の欲望の大噴火が起こっていた――。

中国人は世界一、欲深い民である。それは主に二つの理由による。第一に、来世の幸福を願う宗教が存在しないから(チベット仏教などを除く)、徹頭徹尾、現世を享楽的に生きようとするためだ。第二に、カネ以外のもの――政府や地域社会、ひょっとすると親族までも――が信用できないため、カネや富に対して尋常でない執着心を持つからだ。

そうして4000年の長きにわたって、広大な大陸で生き延びてきた民族の、「2018年最新形」が、深圳に在った。

 

「アジアのシリコンバレー」「世界最先端都市」――最近、深圳に冠せられる形容詞は多い。だが今回、香港に隣接する人口1200万の経済特区を訪れてみると、彼らの欲望のパワーとエネルギーが創出した世界は、そんな表現さえ陳腐に思えてくるほど強烈だった。

深圳中心部の福田区の一角を占める「華強北」(ファーチアンベイ)――もともとは秋葉原を模して作ったが、いまや秋葉原の30倍という世界最大の電子商店街に膨張していた。ビッグカメラやヨドバシカメラの本店が、遠く地平線の彼方まで連なっているイメージだ。

中国鉄道出版社刊『深圳』(2016年第2版)では、華強北をこう解説している。

〈 華強北商業区の前身は、電子・通信・電器産品の生産を中心とする工業区である。そこには40棟以上の工場があった。そのため華強北は、携帯電話産業の発展のバロメーターと言われる。1998年、深圳市は華強北商業街の改造に着手した。そして華強北を、深圳で最も伝統があり、かつ人気の商業地域に変身させた。

華強北道は、南北930m、東西1560m、商業区の総面積は約1.45㎢である。一日の集客量は30万人から50万人。内部の会社は717社に上っている。そのうち大型のデパートが20数ヵ所で、茂業百貨、天虹商場、賽格広場、華強広場、群星広場ショッピングセンターなどがある。入居している会社は、電子、電器、通信、時計、アパレル、百貨、金飾、銀行証券、保険、不動産、ホテルなどに集中している 〉

これは2年前の解説なので、いまはますます「進化」している。だが、スマホ産業を基礎としていることに変わりはない。つまりは「見ること」と「聴くこと」である。

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