仮想通貨で「大儲けした人」「大損した人」が洗いざらい話した

「三億り人」も登場
週刊現代 プロフィール

私はこうして資産を失った

そもそも、仮想通貨投資は難しいと考えている人は多いが、じつはとても簡単。売買をする仮想通貨取引所に入出金などのためのアカウント(口座)を作りさえすれば、取引はすぐにできる。

「株と違って、低額から投資できるのも特徴です。ビットコインには最低取引単位があって、取引所毎に違いますが、たとえば0.001BTCならば、取引価格が150万円に対して1500円から投資できる。しかも、仮想通貨は24時間365日取引ができる」(フィスコデジタルアセットグループ代表の田代昌之氏)

売買手数料は取引所によって違うが、0.01%などと低いうえ、「ゼロ」のところもある。

株式投資とくらべて簡単で低コストなうえリターンも大きいとなれば、まさにいいこと尽くめの投資先ということになるが、当然おいしい話には必ず「裏」があるもの。ビットコイン投資には、とんでもないリスクがあることも忘れてはいけない。

 

「そもそも、預金のように元本の保証はありません。そのため、運用に失敗すれば資産が大きくマイナスになる可能性が十分にある。

しかも、仮想通貨は値動きがとても大きく、そのスピードもとてつもなく速い。1日に数十万円動くこともザラで、それだけリターンを稼げる可能性がある一方、逆に大きな損を被るリスクもある」(前出・田代氏)

金融関連企業に勤める藤原健太氏(仮名、42歳)はまさにそんなリスクに直面し、「資産喪失」という地獄を体験した。

「私がビットコインに投資をしたのは昨年12月のことで、最初はうまくいっていたんです。1BTC=200万円あたりで購入したところ、その日のうちにいきなり230万円まで上がった。

元手300万円に対して10倍の3000万円分投資ができるレバレッジ取引で購入していたので、このときはわずか数時間で100万円以上の利益が出ました」

藤原氏は、「こんな大相場があるのか」と浮かれたというが、そんな喜びの時間もつかの間だった。藤原氏が続ける。

Photo by GettyImages

「ビットコイン価格がそこから2日ほどで、150万円まで一気に暴落したんです。これには青ざめました。

なぜならレバレッジ取引では、一定以上の価格急落時に取引所から保有しているビットコインを強制売却されるのですが、これに引っかかってしまった。これで大損が確定したのです。

私の場合、このときに熱くなってしまい、さらにビットコインを購入したのが運のつき。12月22日には再びビットコインが急落。そこで元手にしていた300万円はすべて消えました」

価格下落の「予兆」を察知できていれば、藤原氏のような資産消滅の危機を回避できたのではないか。そう考える向きもあるだろうが、じつはそれはほぼ不可能。

というのも、ビットコインの価格には「根拠」がないので、どんな価格になるのかがまったく読めないからだ。元日本銀行Fintechセンター長で、京都大学公共政策大学院教授の岩下直行氏が言う。

「たとえば株なら配当や株主優待が受けられるなど、所有するメリットがある。債券も同じで金利がつくし、満期にはおカネが返ってくる。

しかし、ビットコインにはそういうものがないので、理論価格は『ゼロ』。つまり、仮想通貨がここまで値上がりしたこと自体が異常なことだし、まさにバブル。どんな些細なきっかけで、いつ弾けてもおかしくない」

言い方を換えれば、ビットコイン相場は、みなが上がると思っているときは買われ、買われるから上がる。しかし、これがいったん逆方向に動き出せば、今度は逆回転を始める。最悪の場合、その価格はゼロまで落ちる可能性があるのだ。