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海老蔵の團十郎襲名はいつか?カギを握るのはあのビッグイベント

一方で継ぐべき名のない人気役者も…

高麗屋(松本幸四郎家)の三代同時襲名で、2018年の歌舞伎は幕を開けた。

2代目松本白鸚、10代目松本幸四郎、8代目市川染五郎が生まれたのだ。

大企業の「社長」になったとしたら「青年社長」であろう。企業でいえば、白鸚は会長で、幸四郎が社長にあたる。10代目幸四郎は、45歳になったところだ。

新しい幸四郎の誕生で、いよいよ「海老蔵世代」が歌舞伎興行の中心となる時代に突入する。それは平成から新時代への移行の時期と奇しくも重なる。

今後予想される歌舞伎界の「襲名」について考えてみたい。

 

團十郎襲名はいつか

まずなんと言っても、週刊誌等で話題になっているように、幸四郎襲名で、いよいよ市川海老蔵の「團十郎襲名」が近づいた雰囲気になっている。

しかし海老蔵自身はこの件について公の場では語っていない。

週刊誌は、襲名という大事業は「妻」がいないとできないので、海老蔵は近く再婚するに違いないと書き立てているが、まだ母も元気そうだし、妹、叔母もいるので、妻がいなくてもどうにかなるような気がする。

團十郎襲名問題は、2019年の天皇家の代替わりと2020年の東京オリンピック・パラリンピックとが関係している。

海老蔵は五輪の組織委員会の文化・教育委員会のメンバーで、開会式などで大きな役割を果たすと予想される。そのときには「海老蔵」ではなく、日本を代表する歌舞伎役者「市川團十郎」として登場することが十分に考えられる。

となると、2020年春までには團十郎を襲名するだろう。

市川海老蔵〔PHOTO〕gettyimages

市川團十郎家の襲名は、これまで5月の團菊祭で行なわれてきた。

11代目は1963年4月と5月、12代目は1985年4月から6月までの3ヵ月、歌舞伎座で襲名披露興行があった。海老蔵の襲名も2004年5月と6月だった。

もし来年、2019年に襲名するとなると、4月から5月あるいは6月は天皇家の代替わりとぶつかる。4月末で現天皇が退位し、5月から新天皇となる。あえて、天皇家と團十郎家がともに新世代になるというのも面白いが、畏れ多いという声も出てきそうだ。

春をずらしても、2019年秋には即位の礼、大嘗祭などの行事があるので、團十郎にかぎらず、来年は大規模な襲名は避ける気がする。

となると、2020年春か。海老蔵の團十郎襲名と同時に、長男・堀越勸玄君は新之助を襲名するはずだ。

あくまで予測であり、別に裏情報を知っているわけではない。

菊五郎襲名はどうなるのか

海老蔵の團十郎襲名と前後して、同世代の尾上菊之助の菊五郎襲名も浮上する。

海老蔵の場合は父・12代目團十郎が亡くなっているが、菊之助の父・7代目菊五郎は健在だ。幸四郎が白鸚になったように、菊五郎が新たな名を作り、菊之助に譲るしかない。

「菊五郎」の次に他の名を名乗った例はひとつしかない。歴代7人の菊五郎のうち、3代目以外はみな「菊五郎」として亡くなった。

3代目は、徳川時代後期の名優のひとりで、「菊五郎」という名を大名跡にした中興の祖である。引退し、娘の夫に4代目を譲ったが、後に復帰し、大川橋蔵を名乗った。

これが前例のひとつとはなるが、現在の観客の大半はそんな昔のことは知らないし、「大川橋蔵」といえば、「銭形平次」を演じた映画俳優のイメージが強いので、違和感がありすぎるから、これはないと思う。