他にも学校で起こったトラブルで、物の道理を教えるのに困ったことがありました。
ある日、いつも周りに迷惑かけている息子と、普段は穏やかなA君が、タイマンの口喧嘩でクラスを騒がせ炎上してしまいました。
「A君はみんなから怒られなかったけれど、オレはみんなからブーイングを受けた」
そう怒りながら帰宅した息子。
大人の社会でも「ソレあるあるあるーーー!」ですので「仕方ない!よくあることだ!」と伝えたら、納得できずに暴れだしちゃいました(汗)
でも世の中あるじゃないですか。同じことをやっても怒られない人と怒られる人って!
それって、日頃の行いを見て周りが判断しているわけですよね。“発達障害の特性”という理由はあるにしても、怒られるキャラクターになってしまった責任は自分にあるわけです。日頃から人に親切にしていたり、怒らないように自制できる人であったら、いざという時に周りの人の見方も変わります。
そのことを説明しておきたかった私は、難しすぎて息子には分からない部分をグラフにして、見せながら説明しました。
息子は“人の話を落ち着いて聞けない”という特性があるので、難しい話は図や絵を見せながら視覚的に説明すると理解しやすいからです。
やっぱり悔しそうな顔はしていましたが、
「A君みたいに怒られないタイプは、自分と何が違うのか?」
と、自分と他人の違いを気にするきっかけになってくれればいいな~と思ったのでした。
こうした“息子が納得できないトラブル”が起こった場合は、私が一方的に説明するだけでなく、息子の気持ちをしっかり聞くようにもしています。インタビューするみたいに質問を重ねていくと、「平等に対するこだわり」から生じた問題だと分かってきました。
こだわりに固執して譲ることができないのも、息子が抱える発達障害の特徴のひとつです。例えば息子は、物を半分こするときも“同じ体積にすること”に異様にこだわります。人間関係も、
「自分に向けられる思いやり度が、周りと同じでなければズルい!」
という考えのようです。
そんなふうに他人に厳しい息子本人は、いつでも先生やクラスメイトにフォローしてもらっているのにな~。厳しい扱いだけでなく、たくさん支えてもらってもいるのにな~。
なんて思うんですけどね。そこが見えない、理解できないのが難しいトコロ。
いつか気がついてくれる日が来るかしら…。
どうか、早く周りの優しさに気がついておくれ~!と祈る母なのでありました。
編集:森祐子
(第3回につづく)
※今回のマンガの一部は、私がポータルサイト「LITALICO発達ナビ」
に描いているコラムや、書籍『うちの子はADHD 反抗期で超たいへん!』(講談社)からアレンジして掲載させていただきました。こちらにもいろんなエピソードを描いていますので、よかったら見てください!