田舎で「不倫」すると、知り合いだらけでデートもままならない現実

A子とB子の複雑な感情【19】
鈴木 涼美 プロフィール

果たして、秋田の保育園に通っていた子供が4歳の誕生日を迎え、友達の家に遊びにいったり、時にはお泊まりして帰ってくるくらいに大きくなると、彼女はネイルの仕事を始めるような方向には向かず、すでに公認会計士となっていた昔の彼氏と連絡をとって、家事の合間の少し空いた時間を楽しむようになっていた。

不倫でも遠恋は切ない

「別に、フェイスブックは繋がってるから、向こうも結婚したの知ってたし、それでフェイスブックのこっちの写真にコメントくれたのの返事を、メッセンジャーで個人的に送ったら、メッセンジャーだと気づかないからLINEで送ってってIDが送られてきて、そこから、ちょこちょこ連絡取るようになって、見てるドラマとか昔の友達の話とか。

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それで、実家に孫見せに都内に戻る時に会って、ホテル行って、でもお互い家庭はあるから、普段はLINEするだけなんだけど、夏休みとか帰省した時はまた会って、まだ3回だけど、会ったらやっぱり超好きってなって、でも年に2回とかしか会えないのは、切ない。家庭とのバランス考えたらちょうどいいのかもしれないけど。

で、彼とはその東京に行った時に会うっていうのはそのままにして、子供が小学校上がる直前に出会った地元の歯医者とデートするようになった」

忘れられなかった元カレとの逢瀬は楽しかったが、気が向いたら少し無理すれば会える、という距離ではなかった。新幹線が通っているとは言え、交通費は高額だし、そもそも子供を置いて出かけられない。せいぜい、帰省のタイミングに合わせて彼に予定を調整してもらい、ちょっとしたデートやホテルの休憩を楽しむのが精一杯だった。

 

毎日、子供が家にいない時は、洗濯をしたりテレビや雑誌を見たりしながら、常に携帯電話を持ち歩いて、彼のLINEを楽しみに過ごしたが、仕事が忙しくなるとそうそう頻繁には連絡をくれない時期もあったし、そもそも何度もラリーして会話を楽しめるほどゆっくり連絡は取れなかった。子供を検診に連れて行った歯医者と連絡先を交換したのは、元カレと2回目の逢瀬を終えた頃だった。