田舎で「不倫」すると、知り合いだらけでデートもままならない現実

A子とB子の複雑な感情【19】
鈴木 涼美 プロフィール

派遣として渋谷にあるベンチャー企業で働いていたこともあるが、ほとんどフリーターとしてバイトをしたり、お金持ちの人にご飯を奢ってもらったり、時々なんのツテかよく分からないモデルの仕事をしたりしていた彼女は、本来であれば25歳までに結婚したかったらしい。

「短大出て、最初に付き合った彼氏のことは今でも好きなくらい好きで、でも学生で公認会計士目指してて、で、どんどん彼が忙しくなって捨てられた。結構あっさり電話とか出てくれなくなって、家も引っ越すからとか言って荷物実家送られて。

それでも引きずってたから、22歳から24歳の初め頃はあんまり男と長続きしなくて、やっぱり元カレがいい、みたいになってて、24歳の途中でようやくこの人と結婚したいかも、と思う人と付き合ったけど、妹がメンヘラで実家も貧乏だったから超迷って。

で、今の旦那と出会って、もう25歳になっちゃってたけど、今の旦那とは多分結婚すると思ったから、前の人とは別れた」

 

専業主婦ならではの身軽さ

晴れて話はトントン拍子にすすみ、彼がそのうち地方勤務になることはわかった上で、26歳の誕生日のプロポーズを受け、その年のうちに結婚式を挙げた。ハネムーンベイビーかと思うようなナイスタイミングで子供が出来た頃には、忘れられなかった会計士の卵のこともほとんど思い出さなくなるほど、旦那とうまくいっていた。だからそんなタイミングで彼に異動が言い渡されても、東京に戻って別居するとか、週末婚とか、そんな選択肢はなく、27年以上住んだ東京をあっさり捨てて、かなり潔い選択をするに至った。

photo by iStock

「仕事してる人は土地にこだわりっていうかそう簡単に相手の都合で動けないだろうけど、うちバイトやめて専業主婦状態だったし、東京にいるときの3倍くらいあるマンションに余裕で住んで、それでも家賃下がるし、家庭つくるのが普通と思って生きてきたからそこまでの抵抗はなかった。

ネイリストの資格だけ持ってるから、最悪向こうでも仕事したくなったらできると思って。それに、旦那は自分の都合で東京から離れたって思ってるから、恩も売っといたって感じで、割と私の意見が優先されるのもいい」