「小説でも現実でも、在宅介護は大変」医師&看護師作家の告白

【特別対談】患者とともに歩むために
南杏子, 小原周子

二人の二作目のテーマは

 二作目の単行本になる『ディア・ペイシェント』は千晶という女医の物語で、さまざまなクレーマー患者と向き合いながら、それにどう対応していこうかという成長物語なんです。世の中にはいろいろな医療ミスがあったり、医者と患者との信頼関係が低下していると思うんですが、その回復を願って書いた作品です。

患者さんにもときどきクレーマーみたいな人がいて、こちらがこういう検査でこういう治療方針でって進めていても、「ネットにはこう書いてあった」とか「その点滴で本当に大丈夫なの」とか、医者を信用してないことを前面に出してくることがあるんです。

そういう患者さんに会うとがっかりするというか、黙っている人たちもそんなふうに考えているんじゃないかと思ってしまいます。本当は病気に対して患者さんも医師も看護師もみんなで立ち向かわないといけないのに、患者対医者になっていたりするのは淋しいですね。歩み寄れる方法はないのかなと。

ディア・ペイシェント 病院を「サービス業」と捉える佐々井記念病院の常勤内科医・千晶は、押し寄せる患者の診察に追われる日々を送っていた。そんな千晶の前に、執拗に嫌がらせを繰り返す患者・座間が現れた。病める人の気持ちに寄り添いたいと思う一方、座間をはじめさまざまな患者たちのクレームに疲弊していく千晶の心の拠り所は先輩医師の陽子。しかし彼女は、大きな医療訴訟を抱えていた。医療に携わる人々の苦悩と喜びを綴る、著者第二長編。1月25日発売予定。 定価 本体1600円(税別) 幻冬舎

小原 『サイレント・ブレス』の続編ではなく、まったく新しい小説ですね。

 そうです。ただ、読者が読みやすいようにと考えて、同じくミステリータッチにはなっています。

 

小原 南さんは今後はミステリー作家としてやっていかれるんですか。

南 ミステリーじゃないものも書けるようになりたいですが、ミステリーの要素というか、「あれ?」とか「どうしてだろう」と読者が思うようなことは大切にしていきたいと思います。読み進めるのが楽しみになる仕掛けと言うんですかね。

小原 私は長編二作目の前に、短編をまず書きました。それは医療ものではないですが、長編はまた医療で書こうかなと今のところ考えています。やっぱりきれいなところではなくて汚いところをえぐり出したいです。

 また本音のところを読めるのが楽しみです。